「もう写真や条件にダマされるのはイヤ!」いまや44%が婚活アプリで結婚。ネット婚活が向いている人・いない人
ネット婚活が向いていない人の特徴
一方、ネット婚活に向いていないのは、「断ることや断られることが苦手な人」。ネット婚活の最大の利点は、同時進行で複数の人と出会えることですが、登録している人の中には、独身でない人や冷やかしの人がいる可能性もあります。それゆえ、こちらから断ることも、相手から断られることも頻繁に起こります。そのたびに傷ついたり落ち込んだりしていては、先に進めません。 S美さんも、最初のうちは断るたびに「相手を傷つけてしまったのでは」と心を痛めていました。けれど、「相手だって、条件と写真だけを見てアプローチしているのだから、断られたからといって傷ついたりはしませんよ。まだ本気であなたのことを好きなわけではないんです」と言うと、「そうですよね」と納得しました。反対に、自分が断られたとしても「会ったこともない人に断られても、傷つく必要はない」と切り替えて前に進めるようになりました。 ある程度「機械的に」やり過ごし、先へ進むことが、ネット婚活を続けるコツです。 それでもどうしても断ることや断られることが苦手な人は、ネット婚活よりも結婚相談所を利用するほうがいいでしょう。結婚相談所なら、そもそも出会いの母数が少ないから一人ひとりとていねいに向き合うことができますし、断るときも断られるときも、結婚相談所の人が間に入ってくれます。
「会いたい」と思える相手は100人に1人いれば十分
いわば「玉石混交」のネット婚活で人生のパートナーに出会うためには、「どんな人に出会いたいのか」という自分なりの基準を持つことが必要です。それには、何度もお伝えしていますが「理想の人リスト」を作って、理想のパートナー像を具体的にイメージすることが大切です。 S美さんは、ネット婚活を始める前に、「理想の人リスト」を作って自分で読み上げて録音し、毎日通勤中にそれを聴いていました。「理想の人リスト」を自分の潜在意識に定着させるまで、3週間聴き続けることを私は推奨しています。S美さんは、それを3カ月間続けました。そのおかげで、ネット婚活で未来のパートナーになる相手と出会ったとき、実際に対面する前に「この人だ」ということがわかったそうです。 S美さんは、ネットの婚活サービスに登録してから約2カ月の間に、100人近くの男性とメッセージのやりとりをしました。その中で、「この人に会いたい」と思ったのは、ほんの数人だったそうです。「少ない」と思われるかもしれませんが、リアルな出会いでも、確率はそれほど変わりません。理想のパートナーになれそうな相手は、100人に1人いれば十分です。 彼のプロフィールを見つけた瞬間、「この人かもしれない」と感じたというS美さん。何度かメッセージをやりとりするうちに、彼も同じように感じていることがわかりました。初めて会ったときは、お互いに「やっと会えたな」という思いがわいたそうです。 彼は、S美さんが「理想の人リスト」に挙げていた条件をほぼ満たしていました。たとえば、色白で肌がきれいなところも、一緒にワインを楽しめるところも、S美さんがイメージしていた通りだったそうです。ただ、出会ったときの収入は、理想の条件を下回っていました。ですが、S美さんは「彼の仕事への姿勢を信頼することができたので、気になりませんでした。私自身もびっくりしたのですが、彼は結婚後に転職をして、いまは条件をはるかに超えています」と話してくれました。 ▶つづきの【後編】では、もう1名の婚活女性の例をご紹介します。ネット婚活ならではの、遠く離れた場所に暮らす人との出会いについてでです。
アラフォー・アラフィフ専門婚活カウンセラー 伊藤友美