次世代GT-R、2030年までの量産化「可能」 日産の夢 ハイパーフォース実現か
単なる空想ではない
日産のハイパーフォース・コンセプトは、次世代GT-Rの実現に向けた「明晰な夢」とされている。 【写真】未来の「日の丸スーパーカー」大胆デザインで登場【日産ハイパーフォース・コンセプトを写真で見る】 (41枚) 日産のプログラム・デザイン・ディレクターであるジオバーニ・アローバ氏は、昨年10月のジャパン・モビリティショーで公開された(ハイパーフォース含む)4台のコンセプトカーを手がけた人物。大胆なデザインであるが、彼は本誌の取材に対し、ハイパーフォースは2030年以前にほぼ量産化が可能だと語った。 「形状、プロポーション、スタンスは単なる空想に基づいているわけではありません。かなり大胆ですが、2020年代末までには実現可能な夢です」 ハイパーフォースは四輪駆動で、最高出力1360ps、日産が2028年の量産化を目指して開発中の全固体電池を搭載している。革新的な全固体電池の市販導入としては、ハイエンドモデルのGT-Rがふさわしいだろう。 ハイパーフォースのフロントエンドのロゴは意図的にぼかされており、公式には「GT-R」とは明言されていない。果たしてこのコンセプトは次世代GT-Rを指しているのかどうか、そのことを尋ねると、アローバ氏は「その可能性を垣間見せるもの」であり、実現に向けて「夢はまだ明晰だ」と答えた。 また、日産社内にとってハイパーフォースは「具体的な夢をもって会社を鼓舞するマニフェストにもなった」という。 アローバ氏は、コンセプトに対するフィードバックは概ねポジティブなものであったが、「電動スーパーカーではなく、ICE(内燃エンジン)にすべきだという声もあった」と明かした。しかし、次世代の自動車購入者はGT-Rの電動化に対して「かなりポジティブ」な反応を示しているという。
マーク・ティショー(執筆) 林汰久也(翻訳)