スパゲティ専門店「夢の中へ」、沼津から富士に移転 娘婿が継承
スパゲティ専門店「夢の中へ」(富士市川成島102-2)が12月10日、富士市川成島に移転オープンする。(富士山経済新聞) 【写真】スパゲッティミートソース(関連写真3枚) 1985(昭和60)年、福木清延さんがJR沼津駅南口にオープンした同店。メニューは約60種類。パスタの上にハンバーグを載せて8時間煮込んで作る自家製ミートソース、デミグラスソースをかけた「ミートハンバーグ」のほか、「エッグベーコン」「ナポリタン」などが人気だった。スパゲティにサラダ、ポップコーン、パンケーキ、アイスなど小鉢7品をサービスで提供する様子がテレビ番組「ヒューマングルメンタリー オモウマい店」で紹介されたこともある。真夏にエアコンが故障し、猛暑の中で営業を続ける福木さんの姿も話題となり、全国から客が訪れた。38年間、地元民や県外からの常連客に愛されたが、入居ビルの老朽化で退去するのを機に昨年5月20日、閉店した。 娘婿の飯塚悠太さんは、福木さんの店のファンが閉店を惜しむ姿を見て営業再開を決意。理学療法士の仕事を辞め、3月から福木さんにスパゲティ「ナポリタン」「エッグベーコン」「ホワイトソース」「納豆」のレシピを受け継ぎ、技術習得に励んだ。4月末には福木さんと飯塚さんで「富士山こどもの国」(富士市桑崎)のイベントに出店し、1日200食限定でナポリタンを販売した。 新店舗の店舗面積は約 45平方メートル。席数は、カウンター=3席、テーブル=26席。 メニューは「ナポリタン ミートがけ」(990円)、「トマトソース ノーマル」(550円)、「エッグベーコン」(930円)、「納豆」(880円)など。全てのメニューがサイズ変更可能で、通常サイズの1.5倍の「中盛り」が100円追加、2倍の「ダブル盛り」が150円追加、2.5倍の「大盛り」が200円追加、5.5倍の「夢盛り」が550円追加。 飯塚さんは「(義理の)お父さんを引退させたくないと、『夢の中へ』を継ぐことにした。物件探しや厨房を一から改修しなければならなかったことなどの影響で、予定より再オープンが遅れた」と振り返る。 福木さんは「これまでの『夢の中へ』を極力再現したいと思い、(義理の)息子は努力している。今作ったものは半年後に結果が出るもの。まずいものを作れば半年後に店はつぶれる、うまいものを作れば半年後に店は繁盛する。余計な口出しはなるべくしないようにしている。壁にぶつかれば自ら気づき、そこから成長していくだろう」と期待を込める。 飯塚さんは「(義理の)お父さんの店では、僕は大好きなナポリタンミートがけしか注文したことがない。この味をしっかり再現できるように日々経験を積んでいきたい。子どもや家族、サラリーマンなど、どんな人でも気軽に来ることができるアットホームな店を目指したい。お父さんの影響で遠方から来てくれる人も昔からの常連さんも、父と話す人みんなが笑顔で幸せになる場にできれば。そして3代目につなげていけたら」と意欲を見せる。 営業時間は11時~21時。月曜定休。
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