【ボクシング】オレクサンドル・ウシクが統一王座を防衛 「私が勝った。それだけだ」 息子たちとの約束守る
ボクシングWBA・WBC・WBO統一ヘビー級タイトル戦が21日、サウジアラビア・リヤドで行われ、3団体統一王者オレクサンドル・ウシク(37)=ウクライナ=が前WBC王者タイソン・フューリー(36)=英国=との再戦に12回判定(3―0)で勝ち、統一王座を防衛した。 5月のフューリーとの第1戦にダウンを奪って勝利し、世界4団体統一スーパーバンタム級王者・井上尚弥(31)=大橋=を抜いて各種のパウンド・フォー・パウンド(PFP、全階級最強ランキング)で1位を奪っており、この勝利でPFP1位の座を守ることが確実となった。 ウシクは身長191センチ、体重102・5キロ。この日は身長206センチ、体重127・4キロの挑戦者が体格とリーチの優位性を最大限に生かそうと執拗(しつよう)に軽いジャブを突いてきたが、王者は集中力を切らすことなく対応。ジャブをかいくぐり、一瞬のスキを突いては左ストレートやボディを決めた。11、12回には激しい展開になる場面もあったが互角以上に戦い、ジャッジ3者とも116―112の採点だった。 「私が勝った。それだけだ。きょう、息子2人が柔道で勝って『次はパパの番だ』と言ってくれたので『OK』と約束していた」と、ウシク。試合後のリングには、フューリーと再戦するために返上したIBFの王座を勝ち取ったデュボア(英国)が上がって対戦を申し入れる場面も。昨年8月に対戦して9回KOに退けているウシクは無表情のまま「ノープロブレム」と返し、再戦を約束していた。 フューリーは試合終了のゴングとともに手を上げて勝利をアピールしたが、倒しにいかない消極性がジャッジの支持を得られなかった。マイクアピールが得意で、5月の敗戦後はリング上で再戦を申し入れていたが、この日は何も語ることなく不満顔のままリングを去った。戦績はウシク23戦全勝(14KO)、フューリー34勝(24KO)2敗1分けとなった。(写真はAP)
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