芸備線 維持困難でもJR西は関与 再構築協議会で意向示す
岡山、広島両県にまたがるJR芸備線の在り方を話し合う「再構築協議会」の第2回会合が16日、岡山市内で開かれた。JR西日本は、鉄道の運行形態変更やバスへの転換など現状維持が困難とする結論が出た場合でも関与を続ける意向を示し「地域の中で役割は果たしていきたい」と述べた。 質疑でメンバーから「責任ある形で関わるか」と問われ、JR西の広岡研二広島支社長が答えた。広岡支社長は、行政が施設を管理する上下分離方式の導入を例に「列車の運行を担うことが検討できる」と説明したほか、バスなどへ転換した場合はJR西のグループ会社による運行、新たな運行事業者設立に向けた共同出資の可能性に言及した。 会合には、国土交通省中国運輸局や岡山、広島県、沿線自治体などから約20人が出席。芸備線が地域に与える価値を分析するため、調査事業を民間シンクタンクの野村総合研究所(東京)に委託して近く始めるとの報告があり、事業費を含む2千万円の2024年度予算案を承認した。新見市の根石憲司副市長ら自治体関係者からは「幅広く利用者や周辺住民への聞き取りを」といった要望が出た。 芸備線は同市と広島市を結ぶ159・1キロ。このうち備中神代―備後庄原の68・5キロ区間について再構築協議会で存廃を議論する。協議会は国が昨年10月に制度化し、全国で初めて芸備線で設置。原則3年以内に鉄道の利用促進やバス転換など方針をまとめる。24年度内に第3回を開き、調査事業の結果を基に実証事業を協議する。