渋野日向子最終18番までV争い3位で見えてきた賞金1億円突破!
全英女子を勝ち、42年ぶり2人目の海外メジャー覇者となった渋野日向子(20、RSK山陽放送)が送)が18日、長野の軽井沢で行われた「NEC軽井沢72ゴルフトーナメント」の最終日に優勝争いを演じた。最終18番でボギーを叩き、1打差で惜しくも3位に終わったが、初の海外試合から凱旋帰国して、たった2戦目での優勝争いで、渋野は、プロ2年目の20歳の底知れない成長を強烈にアピールした。獲得賞金も8000万円台に乗り目標とする1億円突破が見えてきた!
悔し涙の後にすぐさま反省
最終組からスタートした最終日。先にホールアウトしたイ・ミニョン(27、韓国)、穴井詩(31、GOLF5)と、14アンダーで首位に並んで最終18番(パー4)にやってきた。2打目をピン右5メートルに乗せる。バーディーならば優勝、パーならプレーオフ。その一打に勝敗の行方が委ねられるしびれる場面は、全英女子と、まったく同じシチュエーションだった。ほんの2週間前は、このパットより長い6メートルを沈めるバーディーで優勝を決めている。グリーンを幾重にも取り囲んだギャラリーはその再現を期待し、確信して、息を呑む。だが、優勝をかけた下りのフックラインのパットは、カップを前に左へ軌道を変えて2メートルオーバーした。パーパットも微妙な距離である。プレーオフをかけたパットは数センチ左へそれた。まさかのボギー。渋野は2度クラブを叩き悔しさを表現した。 するりと手からこぼれたV逸を渋野は、こう自嘲気味に話した。 「緊張して手が動かなかった。ファーストパットは打った瞬間、入らんと思った。かすりもしなかった。返しのパーパットは2メートル。これも手が動かなかった。きょうは本当にいいプレーができたと思うけど、最後にボギったので台なし。しょうもないパッティングをしてしまった」 そして「情けなくて、笑けてきた」と、作り笑いを浮かべた。 グリーン上では「シンデレラ・スマイル」が弾けることはなかった。うまく笑うことができなかった。 「悔しくて(涙が)出ちゃった。でも、人前で見せるものではないので」と、目には必死にこらえた涙がにじんだ。 優勝はイ・ミニョンとのプレーオフを制した穴井詩の2年ぶりV。肉体的にも精神的にも疲労が抜けきっていない凱旋2戦目での渋野の1打差3位は大健闘と言っていいだろう。 だが、涙をこぼした渋野は、すぐさま「手が動かなかった」と話した18番のパッティングを反省していた。 「最近では一番悔しかった。最後のパットの緊張感をこれから先に残さないようにひたすら練習するしかないと思う」 こういう言葉がスッーと出るメンタルこそが渋野を成長させ続けている理由である。 国内ツアー初優勝を飾った5月の国内メジャー「ワールドレディスサロンパス杯」。無名の存在から一躍注目される存在となった後は、しばらく「目標を見失った」という。5戦続けて優勝争いに加わることができなかった。ちょっとした燃え尽き症候群に襲われていた。