「難病でも…お兄ちゃんを助けたこの子を産みたい」先天性疾患のちいりお母 出産前の「苦渋の決断」
でも、理央奈が生まれた瞬間に、「お母さんごめんね。赤ちゃんが苦しくなっているから」と声をかけられ、理央奈は看護師さんに隣の部屋に連れて行かれてしまったんです。10分か20分ほど経ってから、理央奈は体に管をつけた状態で私の隣に一瞬だけ来てくれて。そのときに1枚だけ私と夫と理央奈の3人で写真を撮ってもらえたんですが、そのあとはすぐにNICU(新生児集中治療室)へ行ってしまいました。そこで初めて「何かあったんだ」と気づいたのですが、誰にも何も教えてもらえず、私は何があったのかわからないまま、不安な夜を過ごしました。娘に会えたのは次の日でしたね。
結局、理央奈は生まれながらにあごが小さかったために、呼吸状態が落ち着かず哺乳ができなかったことから、安定するまで入院しました。その後も落ち着くひまもなく、2歳ごろまで治療や手術が続きました。 そのあいだ私はすごく落ち込んで、自分を責めてばかりいました。でも、うちの家族はとにかく明るいんです。お笑いが好きな夫と理央奈、ほがらかな長男に救われて、なんとか少しずつ笑えるようになりました。 PROFILE ちいりおママ・佳寿美さん
1988年、愛媛県生まれ。「ちいりおママ」として、娘の「ちいりお」こと理央奈ちゃん(7歳)の日常をYouTubeやInstagramで発信中。フォロワーは合わせて200万人を超える。大学卒業後、地元の信用金庫へ入行。第一子出産後は家族が経営する会社で勤務している。お笑い好きの明るい夫、9歳の長男、理央奈ちゃんの4人家族。理央奈ちゃんとの共著に『今日もさわやかに麗しくいきましょう』。 取材・文/高梨真紀 写真提供/ちいりおママ
高梨真紀