【モラハラ夫】 恐怖に支配された結婚性活。別居後も「夫が怖い」という洗脳から、どうしても抜け出せない!
夫の足音を聞くだけで心臓が痛くなる日々
Sさんは夫に怒鳴られる、文句を言われることが怖いとおっしゃっていました。 自分に向けた罵詈雑言を大きな声で言われることは、精神的にとてもきついものです。それを日々言われ続けるので心が萎縮してしまうのです。 怒りでいっぱいの夫になんとか穏やかになってもらいたい、夫の怖い視線と次に何を言われるのかわからない恐怖から、この場所から抜け出したい、その思いから「ごめんなさい」と謝ることしかできないのです。そして何も考えることもできなくなることは、自分の心を守るために起きる自然な現象です。 『夫が帰宅する時間になると心臓の鼓動が激しくなるようになっていました。夫が玄関をドアを開ける音を聞くと心臓がギュッと痛み、夫の足音で呼吸が苦しくなる、そんな日が続くようになりました。自分でもこんな状況はおかしいとわかっていましたが、夫が怖すぎて何をどうしたらいいのかさえわからなくなっていたのです』 何か言ってもわかってもらえない、よけいに責められる、とにかく怖い、恐怖に支配されてしまい次に自分はどう行動したらいいのかがわからなくなってしまうのがモラハラ被害者の妻にはよくあることです。 モラハラ被害者の妻は、夫の帰宅時間になるとドキドキする、夫が玄関を開ける音で心臓が痛くなる、夫の前で無理やり笑うので笑顔が引き攣る、いつも夫の顔色をうかがう、自分が悪いと思い込んでしまう、自分の努力が足りないと思っている、夫は自分を愛しているから怒ってくれると信じてしまうのです。
頭痛や気力がなくなる体調の変化が起こり我慢するのも限界になる
Sさんの体調はどんどん悪化し、頭痛や体のだるさが抜けなくなり、朝起きることもできずにいる日もあるくらいでした。その日も、ベッドで体を丸めることしかできない状態の日のことだったそうです。 夫はすごい勢いで部屋のドアを開け、「朝飯はどうした!いつまで寝てるんだ!」と怒鳴ったそうです。 Sさんは「本当に辛くてもう起きられないの」とやっとの思いで声を出しました。 しかし返ってきた言葉は、 「怠けるのもいい加減にしろ!俺が仕事に行くのに寝てるなんてありえない!誰の金で飯が食えると思っているんだ!」 『その言葉を聞き、「私はもう限界だ。このままでは死んでしまう」とやっと別れる覚悟がつきました。 実家に心配をかけたくなくて夫のモラハラを隠していましたが、全てのことを話し迎えに来てもらい、その日に家を出ました』 モラハラに悩む妻がなぜモラハラ夫と別れる決心がつかないのか、その理由は人それぞれです。その中でも多い理由を以下になります。 ●経済的問題:生活費や子どもの養育費などの経済的な問題があり、決心がつかない。妻が専業主婦やパート勤務の場合は収入が少ないので生活に不安がある。 ●子どもについて:子どもの親権や面会交流などの取り決めで争うのが苦痛。子どもが父親と離れたくないという場合。 ●1人になる不安:夫に愛はないが情はあるので1人にすることに罪悪感を感じる。いつか治ってくれるという期待を捨てられない。 ●社会的な理由:モラハラの被害を第三者に訴えても、信じてもらえない場合や、我慢が足りない、どこのうちでもあることなのにわがままだと否定する人がいる。 結婚は離婚の何十倍もエネルギーが必要です。全ての人に理解してもらおうなんて考えず、まずは自分がどうしたいのか、自分は幸せなのかを一番に考えてください。 【前編】では、毎日のように浴びる暴言で心が休まる日はない結婚生活。ついには、夫の足音を聞くだけで体調不調になってしまうようになったSさんについてお伝えしました。 ▶つづきの【後編】は、離婚や別居をすぐに選択できなかったのはモラハラ夫の洗脳の影響もあったと気づいたSさんとその後についてお伝えします。
モラハラ/HSP専門カウンセラー 麻野祐香