答えは「現場で」見つかった...職場で「唯一無二」の結果を出す「常識にとらわれない」アイデアの秘密
宿題の答え
しばらくして店長がやってきました。手持ちのフードサービスの機材カタログを彼の前に広げ、急ごしらえの提案です。 突然の商談の場になりましたが、私たちの話をうなずきながら聴いてくれる店長にこれからの道が開けたような気持ちになりました。結局「お客さんが喜ぶなら、やってみよう」という店長の一言で機材を置いてもらえることになりました。 飲料ビジネスとはまったく関係がないと思われる家具店の店内の真ん中にファミリーレストランさながらのドリンクバー。これまでの感覚では考えられません。 そこにはゆっくりと話をしたい、大きな買い物の合間に少し休みたいという多くのお客さんの存在があります。お店としてはお客さんと落ち着いて商談ができる場にもなります。そこによく冷えた飲料があるとお互いが嬉しくなります。部長から言われたことを思い出します。 「商品を買ってくれる、機材を置いてくれることが先じゃなくて、我々の売りモノを欲しい、あったら嬉しい、我々の機材を置いたら便利になる。そういうところはどこか。まず相手の都合から考える。新規開拓はいままでの延長線上でものを考えないことだ」 宿題でもらった問いの答えの一つを思いもかけない現場で見つけることができたのです。 『全ての仕事に共通する思考法...コカ・コーラ社の営業マンが「葬儀会場」に目を付けたワケ』へ続く
山岡 彰彦(株式会社アクセルレイト21 代表取締役社長)