石川祐希が見た決勝の景色 47年ぶりの準優勝、つかんだ自信と課題
バレーボールのネーションズリーグ(NL)で、日本男子は主要国際大会で47年ぶりの準優勝を飾った。 【写真】ポーランドでも練習を続けた高橋藍 1―3で敗れた決勝のフランス戦では、パリ五輪に向けた課題と収穫が見えた。 日本の主将、石川祐希の攻撃が止められたのは第4セットだった。試合序盤は通用していたスパイクやバックアタックが、フランスのブロックに何度も阻まれた。 「石川は少しガス欠だった」とブラン監督。 それでもセッターの関田誠大は、勝負どころで石川にトスを上げ続けた。 15―17と劣勢の場面で、石川のスパイクは2度相手ブロックに止められた。ラリーの末、関田の3度目のトスはまたも石川へ。石川はそのスパイクを決めきった。 関田は言う。「(石川は)エースなので。決めて欲しいところでは彼に託した」 石川はこの日、チーム最多の17得点。だが、最後は石川のスパイクが止められ、敗れた。 この日は攻撃専門の西田有志が途中交代。代わった宮浦健人が随所で光るプレーを見せたものの、石川が止められた穴を埋め、勝利に導くことはできなかった。 左足首のけがで欠場した高橋藍は「石川選手が崩れた時にどう得点に貢献していくか。全員が求めないといけないポイントだと思います」。 ただ、今大会は当初から決勝進出が最大の目標だった。 昨年のこの大会は3位。パリ五輪でメダルを目指す上で欲しかったのは、決勝を戦うという経験だった。 石川は「(フランスとの)差は感じなかった。どんな決め方でもとにかく1点を取りきる力が大事だとわかった」。 パリ五輪に向け、大きな自信をつかんだ前哨戦だった。(ウッジ=加藤秀彬)
朝日新聞社