「どうして砂浜に2mの巨大うんこが…」海水浴客を20年間驚かせつづける“職人”のナゾの向上心と“意外すぎる本業”とは
通りがかりの人が「インスタにあげてもいいですか」
──作る時間はどれぐらいかかるのですか。 あわわ 今年だったらだいたい1時間ぐらいで作れました。潮の満ち引きもあるので、あまり時間的余裕はありません。潮が満ちてきて、『うんこ』が水洗便所のように流れていってしまったこともありました。 ──作る際に、ほかの海水浴客からの反応などはありますか? あわわ 小学生が作品を見て、「うわー! でっかいうんこ!」と言って砂浜を走り抜けていったりとか、お兄さん、おじさんが「うわっ、うんこだ」と言って歩いて行きますね。通りがかりの女性が「インスタにあげてもいいですか」と声をかけてくれることもあります。
『うんこ』を作るのがやめられない
──あわわさんは、X上で毎年作品をアップし続けていますが、反応はありますか。 あわわ 毎年、フォロワーの方々から「待ってました」「今年も夏だね」と声をかけてもらえるので嬉しいですね。一方で、家族からは毎年「今年は作らんのか」と煽られるし、X上でもみんな「そろそろかな」と待ってくれているので、作るのをやめられなくて......。 ──『うんこ』を作るのがやめられない。 あわわ やめられない。やめさせてもらえないです。でも、『うんこ』を通じてSNS上の知り合いから久しぶりに連絡をいただいたり、再会するきっかけにもなっているので、作っていてよかったなと思います。 ──お仕事はなにをされているのですか? あわわ 言いづらいのですが実は、お菓子を作る機械の設計をしていて、CADやBlenderといった3Dモデルの設計ツールも使っています。『うんこ』も設計も、自分の手を動かして作ったものが現実になるという点では変わりませんし、楽しさもやりがいも同じですね。 ──以前から設計の仕事をされていたのですか。 あわわ 元々はフリーターでした。3Dモデルや設計に興味を持ったのは、マストドンというSNSが7年前に流行った時に、そこで知り合った方から、無料で使える3Dモデルのツールを教えていただいて。それから職業訓練学校に行き、CADを学んで、求人で見つけた今の会社に入りました。最近はケーキの形をした小物入れを設計してコンペに応募したところ、賞をいただきました。趣味だった『ものづくり』がいまはライフワークになっています。 ──来年も『うんこ』を作る予定は? あわわ 「これがないと夏が来ない」という声もX上でいただくので、楽しんでくれるのであればこれからも作り続けていきたいと思っています。
「文春オンライン」編集部