「秋元康をここに連れてこい」…「ドン・キホーテ秋葉原店8階」が「AKB48劇場」になるまでの舞台裏 元AKB48劇場支配人が語る
偶然見つけた広大な空きスペース
「トガちゃん、俺も手伝うよ」 行き詰まっていた僕の様子を見かねてか、この日は窪田(康志・実業家、馬主)さんも物件探しに加勢してくれることになった。 窪田さんはひとしきり秋葉原の街を歩き回った後、息抜きがてらに当時ドンキホーテ秋葉原店の5階に入っていたメイド喫茶に立ち寄る。 そして、帰り際に何気なく上りのエスカレーターに乗ったときに7階で立ち止まった。フロアはまだ上に続いているにも関わらず、エスカレーターが動いてなかったのだ。「もしかして」という直感に従い、階段で8階までかけ上げると、そこには広大な空きスペースが広がっていた。不動産情報サイトにも一切掲載されていない場所だった。 ここから話はトントン拍子で進んでいく。 調べてみると、ビルの所有者はドイツの銀行だということがわかった。ただ、空いている8階を貸して欲しいと交渉したところ、「そのフロアはドンキホーテに貸している」との回答が返ってくる。ならばと、今度はドンキホーテに連絡を取ってみると、亀戸の本社で担当者が会ってくれることになった。 このとき、どうやら秋葉原店の8階に日本最大級のコスプレ衣装の販売フロアを新設しようという計画が持ち上がっていたようだ。「ただし、安田会長の考え次第ではそちらに貸せるかもしれない」という話だったので、一縷の望みに賭けてみることにした。 それからまもなく、ツテを頼って安田会長に会うことができた。ずいぶんと突然の提案だったにも関わらず、興味深そうにプロジェクトの説明に耳を傾け、最後は快諾。 そして9月、ついに契約が成立する。 家賃は想定予算をはるかに超える金額だったが、これ以上の物件はなかった。 ただ、まだ劇場の場所が決まったに過ぎない。 「メンバーは全然集まってないですけど……」と心配する僕をよそに、窪田さんは眉一つ動かさず、「なるようになるよ」とあっけらかんとしていた。 後編記事「「最終面接直前に『バイトがあるから』と辞退を希望した小嶋陽菜」「高校を中退して上京した大分の女の子」「前田敦子を見出した夏まゆみ先生」…元AKB48支配人が振り返る「一期生オーディション」秘話」に続く
戸賀崎 智信
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