【連載コラム】「聖地ヨセミテ」に魅せられてvol.17 スターリンクの試運転をかねてブルーキャニオンレイクを歩く
2024年8月後半のベストシーズンに、ジョン・ミュア・トレイルにチャレンジするハイカーをサポートする機会に恵まれました。また、それと並行して昨年サポートしたハイカーと一緒にシエラキャンプ旅もできて、楽しい夏休みとなりました。 【写真】ブルーキャニオンレイクを目指すトレッキングの行程をチェックする(全8枚)
標高2700m地点からトレイルを開始
さて、前回のソノラピークに続き、ソノラパス近くのブルーキャニオンレイクという高地の湖をご紹介します。ブルーキャニオンレイクへのトレイルは、オフィシャルなものではないのでトレイルヘッド(登山口)に目印となるような立て札がありません。 ソノラパスの少し手前の川沿いに路上駐車し、川に下りて渡るところから歩き始めます。カリフォルニアが猛暑の日に出かけましたが、標高2700mからのスタートなので、暑くもなく寒くもなく、快適に歩くことができました。
山の頂上にブルーキャニオンレイクが広がる
川を渡って、茂みに覆われた狭いトレイルを潜り抜けると、野草の花咲く景色が広がっていました。森林限界を超えているので、木はほとんど生えておらず厳しい場所ですが、そこでカラフルに咲く花は力強いです。川沿いに歩いていきますと、途中、仲のよさそうなお婆さんと娘さんの親子に遭遇しました。 挨拶とともに、「きれいですねえ、きれいだねえ、来てよかったねえ」と会話を交わし、嬉しさ共有です。さらに上って、万年雪が残っている高さまで来ると、切り立った山の頂上が目の前に迫ってきて、ブルーキャニオンレイクが現れました。切り立った山に囲まれているので風もなく、とても静かで美しい湖です。人もいないので、湖岸でのんびりすることができました。
山でも繋がるスターリンクを試運転
この日のお出かけはもう一つ目的がありました。スターリンクミニの試運転です。衛星インターネットのスターリンクをキャビンで使っていますが、そのミニバージョンが最近発売されました。 持ち歩き前提のノートサイズの小さいアンテナにはルーターが内蔵され、電源さえあればどこでもWi-Fi接続できるという革命的な製品です。アメリカでは、町から少し外れると、ネットも電話も何も繋がらないことが普通にあります。 本音は、山ではネットに繋がりたくないのですが、民泊のお客さまからの問い合わせがあるので、長時間オフラインで移動したり、キャンプや山歩きをするのが難しくなっていました。 バッテリーに繋いで、少し開けた場所にアンテナを置いて、スマホのアプリで向きを調整してセットアップ完了。本当にすぐに繋がりました。動画も問題なく再生できるスピードが出ます。クルマのダッシュボードに載せて、走りながら繋いでみましたが、それでも見事に繋がりました。すごい時代になりました。これからは僻地からの生実況をする人が出てきそうですね。次回は、今年の夏に行った東シエラの話です。
井上ゆず