ハイスペ男子が実はサイコパス?「しんどいくらい愛されたい」女性に支持される“狂気性”
昨今、エンタメ作品で「不倫」や「復讐」といったジャンルが定番化されているが、「狂気性」も同じくらいトレンドになっている傾向を感じる。LINEマンガで連載中の『偏愛カレシは私を躾けたい』も、平凡な女性が合コンで出会った“ハイスペ男性”に好意を持たれるが、徐々に彼の行動が異常な束縛へとエスカレートしていく…というサイコロマンスだ。作者のおおていくさんへ“最恐”のクセ強彼氏を描くこだわりについて聞いた。 【漫画】爽やかハイスペ男子の裏の顔は…ラストの一言にゾワッ
■最恐彼氏のモデルはAI? 女性が考える“理想の男の子”を具現化
気の弱い主人公・安堂小春は、彼氏に浮気され、同僚には馬鹿にされ…と不憫続きの毎日を過ごしている。そんなある日、合コンで勘違い男に絡まれている小春を助けてくれたのは、ハイスペ会社員の佐久間蒼。その日をきっかけに佐久間は小春に熱烈に好意を伝えてくれるようになる。 ――小春はどんなイメージで描かれましたか? 【おおていくさん】小春は、真面目でいい子で物腰がやわらかいので、いつも大変な仕事を任されている子、大学で代筆を頼まれやすい子などを参考にしました。物腰が柔らかいと「この人は何言っても怒らないんだ」って思われて、ドンドン押し付けられちゃう人っていますよね。 ――読者からは「主人公弱すぎ」「小春みたいな鈍臭い女の子見てるとモヤる」と様々なコメントが寄せられています。 【おおていくさん】小春を描く時は、可愛くていい子だけど“ムカつく子”を意識して描いています。基本的にキャラクターに感情移入するんじゃなくて、第三者視点で客観的に見ながら描いています。 ――そんな小春がハイスペ会社員の佐久間と出会うことで、物語が大きく展開していきます。「こんなイケメンならストーカーされてもいい」という声もありましたが、佐久間にはモデルがいましたか? 【おおていくさん】佐久間は、自分でもとてもイケメンに描けたなと自負しています(笑)。佐久間は女性が考える“理想の男の子”として強制されてきた人物なので、宇宙人が人間に擬態している・理想男性像を理解させたAIみたいに、“人に擬態している何か”みたいな意識で描いています。佐久間はこうすれば女性が落ちるっていう笑顔を持っていて、常にそれを振りまいています。 ――佐久間が“ハイスペイケメン”であるがゆえに、小春にストーカー行動(思考)やサイコパスな特徴を見失わせてしまうのかもしれません。実際に、小春も佐久間のことを平凡な自分が出会うわけがない人、釣り合わない人と思っており、そんな彼から好意を持たれることで、自分に自信が持てるようになります。非の打ち所がない男として描くことで先生が伝えたかったことは? 【おおていくさん】ハイスペで優しくて何でもしてくれて、自分は何もしなくても愛してくれて…それってこれ以上ない“幸せ”だと思うんです。でも「本当にそれはいいことなのか」「幸せなのか」「羨ましいのか」を1回考えてほしいですね。佐久間に好かれて自信を持っていく小春は現状、例えるなら“チート武器を手に入れて強くなっている状態”なんです。武器だけ強くても意味がないといいますか…。