COP29開幕、トランプ氏勝利が関心事 「間違いなくリスク」
Valerie Volcovici Nailia Bagirova [バクー 11日 ロイター] - アゼルバイジャンの首都バクーで11日、第29回国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP29)が2週間の日程で開幕する。米大統領選で気候変動否定論者のトランプ氏が勝利したことに各国の関心が集まっている。 各国は最重要議題の途上国に対する気候対策資金(年最大1兆ドル)を巡る取り決めを解決したい考え。ホスト国アゼルバイジャンは、現在の1000億ドルに代わる新たなグローバル資金調達目標で各国をまとめることが役割だ。 しかし、バクーに集結した多くの人々は、世界的な気候変動対策から離脱することを示唆したトランプ氏の勝利を受けて、他の国々が気候変動に関するこれまでの約束を後退させることを懸念していた。 2019年から23年まで欧州連合(EU)の気候担当大使を務めたマルク・バンホイケレン氏はロイターに「それは間違いなくリスクだ。米国は第2位の排出国で世界最大の経済大国なのだから。米国が野心的な目標を掲げないのなら、われわれが掲げる必要はあるのか?となる」と語った。 また、中国はブラジル、インド、南アフリカを含む「BASIC」グループを代表し、欧州連合(EU)の炭素国境関税(26年発効)といった「制限的貿易措置」を取り上げるよう提案。関税懸念はトランプ氏が選挙戦で全ての外国製品に20%、中国製品に60%の関税を課すと公約したことでさらに強まっている。 このほか、EUはバイデン現米政権とともに、中国と湾岸石油諸国に対し、気候対策資金提供国に加わるよう圧力をかけている。