「ルアーをデカくする理由?」「半分以上はロマンです」痴虫の新作がジョイントベイトのダブルスイッシャーである理由。
デカいルアーを作る意義
その後、形状を変更して約180mmの扁平なボディーになったのが「牛メキシコ(仮称)」の最新プロトモデルだ。ここから微調整を加えて今年度中にはウッドモデルを限定発売、さらにプラスチック化も予定しているという。 痴「ダブルスイッシャーって、トッパーのなかでは“いちばん褒められないルアー”なんです(笑)。釣れて当たり前。ノーテクニックで巻くだけでいい。“ウラのルアー”だからこそ、とにかく1尾がほしいときに手が伸びるものにしたかった。だからダブルスイッシャーを選びました」 基本の操作はスローなただ巻き、あるいはロッドワークによるデッドウォーク。巻いている途中にポーズを入れると「カクン」とジョイント部が折れ曲がるので、そのワンアクションがトリガーになることも意図している。 痴「いきなり朝イチから投げるルアーではないです。いろんな魚を反応させてしまうので、逆に状況判断がしづらくなる」 最後に根本的な疑問をぶつけてみた。なりふり構わず釣りたいのが“ウラのルアー”であるならば、ビッグベイトにこだわらず、普通の小型ダブルスイッシャーを使えばいいのでは? 痴「そういうルアーも作りますが、同時に自分の上限も広げていきたい。モノを作って発表している人間が、可能性を追わなくなったら終わりでしょ? ビッグベイトのブームに乗り遅れた自分だからこそ、このジャンルでひとつでも新しいモノを作り出すことができたら、“痴虫”が存在する意義があるんじゃないかと思ってます」
牛メキシコ(仮称)
スローフローティングのジョイントボディーに前後ふたつのプロペラを装着した痴虫のNEWアイテム。 「でかくなればなるほど釣りづらくなる(by松本)」 ビッグベイトを、いちばん釣れる自信のあるダブルスイッシャーにしたアンビバレンツな存在でもある。現段階では51g・全長約180mmだが変更の可能性あり。 「スライドスイマー250を意識しすぎてこうなった」という試作品だ。
松本光弘(まつもと・みつひろ)
1977年大阪府出身。トップウォータールアーブランド「痴虫」代表。ハンドメイドのウッドルアーからキャリアを開始し、「海馬」「カブメス」シリーズなどが高い評価を受ける。近年はプラスチック製の「プラカイバードミニ」「牛ネズミ」を発表、全国にファンを増やし続けている。