26歳、仕事を辞めて「生活保護」を受給したいです。毎日終電まで働いて限界なのですが、若くても大丈夫ですか? 収入もそこまで多くないです
「生活保護制度」とは、健康で文化的な最低限度の生活を保障して、受給者の自立を手助けする制度のことです。日本社会の最後のセーフティネットとして機能しており、厚生労働省によると被保護世帯数は約165万世帯、被保護実人員は約202万人(いずれも令和5年11月概数)となっています。 ▼「生活保護」の受給要件とは? 親族への扶養照会は必須なの? 本記事では、仕事を辞めて生活保護を受給したい26歳を例に挙げて、どのような要件を満たせば生活保護制度を利用することができるのかを解説していきます。
生活保護の要件とは?
生活保護は生活の困窮の程度によって保護を受けることが可能です。ただし、世帯員全員が次に挙げる要件を満たさなくてはなりません。 【資産の活用】 預貯金や土地・家屋を持っている場合は、生活保護の対象から除外されます。生活保護を利用するよりも先に、預貯金を使う、使っていない土地や家屋があれば売却して生活費に充てるようにしましょう。 【能力の活用】 働く能力があれば、まずはその能力を活用して働く必要があります。働いていても生活保護の受給は可能ですが、その収入が最低生活費よりも多い場合は受給できません。 【あらゆるものの活用】 年金や手当などがあれば、生活保護制度よりも先に受けるようにします。 【扶養義務者の扶養】 親族などから援助を受けることができるのであれば、生活保護を利用する前に受けましょう。 ただし、働いていて収入がある世帯、年金や手当がある世帯でも生活保護を受けることは可能です。それは月給や年金、手当などの収入が、厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費よりも少ない場合です。 この場合、支給される生活保護費は「厚生労働大臣の定める基準で計算される最低生活費-収入」になります。厚生労働大臣が定める最低生活費については、住んでいる地域や世帯の状況によって異なります。
生活保護を受けるには?
生活保護を受けるためには、家の近くの福祉事務所に出向きましょう。福祉事務所で相談した後に、申請書を提出します。申請書には名前や住所、保護を受けようとする理由、資産及び収入の状況などを記載します。場合によっては、通帳の写しや給与明細など、世帯の収入・資産などの状況がわかる資料が必要です。 福祉事務所に申請書を提出すると、ケースワーカーが生活状況を調べるために家庭訪問をしたり、預貯金や保険、不動産などの資産調査を受けたりします。また、就労できる状態かどうかも調べられます。 ただ単に、「毎日終電まで働いて限界」という理由だけでは、就労できない状態であるとは見なされない可能性が高いでしょう。生活保護を受けた後も、毎月収入の状況を申告する必要があります。さらに、ケースワーカーが就労に向けたアドバイスや指導を行います。
若くても生活保護は可! ただし収入など要件を満たす必要がアリ
若くても生活保護を受けることは可能です。しかし、収入が最低生活費よりも多い場合は生活保護制度を利用することはできません。そのため、例に挙げた人のように「毎日終電まで働いて限界」という理由だけでは、生活保護を受給できる可能性は低いです。 そのため現在の仕事がつらいのであれば、まずは転職による収入・労働環境の改善などを検討してみましょう。 出典 厚生労働省 生活保護制度 厚生労働省 被保護者調査:(令和5年11月分概数) 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部