雪の季節、募る不安 県内7月豪雨から4カ月
酒田 今も地上に水道の仮設管、凍結防止対策や簡易防護柵 酒田市は、八幡地域を中心に最大1078軒が断水した。1カ月余りで全戸が仮復旧したが、破損した水道管と地上に露出した仮設管が今も目立つ。本復旧工事の開始は来春以降の見込みで、凍結防止や除雪作業への対応などを講じながら厳冬期を迎える。 市によると、水道施設の被災は12カ所。このうち10カ所は八幡地域の大沢地区や定禅寺地区に供給する八幡簡易水道エリアに集中する。荒瀬川などの氾濫で道路橋などに設置する添架管が6カ所、路面崩落などで埋設管が4カ所で破損した。 他地域は数日で供給を再開した。252軒が断水した両地区は段階的な復旧に時間がかかった。「想定を超えて同時多発的に被害が起きた」と市上下水道部。市内管工事業者の協力でお盆前に仮復旧をほぼ終えたが、確認作業などで全世帯への供給再開は9月3日になった。 本復旧は国の災害査定の後になり、延長約1.8キロの仮設管は露出したまま冬を越す。凍結防止対策は必須で、同部は管の末端付近で排水し、常に水が流れるようにして凍結を防ぐ考え。一部は管回りに断熱材を巻く。除雪作業で管を破損しないよう、一部箇所にパイプを組んだ簡易防護柵を設置した。
大沢地区の後藤正一コミュニティ振興会長(73)は1カ月余りの間、給水車や給水タンクを利用したといい、「止まったことで、水道のありがたさを改めて感じた」と振り返る。地域内に多くの仮設管が走る現状には「管が埋まって見えなくなって、復興も進むのだろう」と語る。