雪の季節、募る不安 県内7月豪雨から4カ月
本格的な降雪期が迫る中、今年7月の記録的大雨で甚大な被害を受けた庄内、最上の被災地は、除雪や寒さへの対応が課題になっている。大雨から25日で4カ月。真室川町では水が止まった導水路の復旧が行われ、酒田市では露出した水道管の凍結防止策が進められている。住民が仮設住宅などに身を寄せる戸沢村は、避難者宅の除雪ボランティアの確保に乗り出している。 最上地域 導水路復旧や除雪車貸与、ボランティア拡充へ 真室川町では、金山川が増水し、川の水を流雪溝に流す導水路とのり面が幅105メートルにわたって崩れた。被災後は水が止まった。導水路は金山町山崎の取水場所からJR真室川駅周辺まで延長約6.5キロ。その先に流雪溝が約20キロ続き、新町、平岡地区の計367世帯が利用する。同町新町の自営業大沢豊国さん(61)は「雪が積もる前に水が流れてほしい」と話す。 町は11月下旬に工事を始め、12月上旬の復旧と通水を目指す。来年度実施を予定する導水路脇の管理用道路修復を含め、総工費約1億360万円を見込む。
鮭川村は、中山間地域の生活道路が土砂災害に遭った。木の根坂、深沢両地区から村中心部に続く県道西郡居口線は土砂崩れの影響で、冬季閉鎖区間などを除く除雪区間(約6キロ)の16カ所で道幅が狭いままとなっている。昨季までの除雪車が通れず、県最上総合支庁は業務委託先の川田建設(鮭川村)に歩道用の小型ロータリー除雪車1台を貸し出し、対応する。 木の根坂、深沢の両地区は、高齢者を中心に9世帯が暮らす。木の根坂の井上喜子夫区長(77)は「1日に2メートル近く雪が降ることもあり、積雪でさらに道幅が狭くならないか不安だ。生活に欠かせない道路で、除雪が続くことはうれしい」と話す。 戸沢村では、約40世帯100人が仮設住宅などで避難生活を続けている。村社会福祉協議会の八鍬真生事務局長は「自宅以外で生活する方の除雪ニーズを年内に把握したい」とする。村社協は、需要に応じて除雪ボランティアを拡充する方針。交通費などが補助される県の除雪ボランティア登録制度「やまがた除雪志隊(したい)」の活用を呼びかけている。