俳優・奥平大兼インタビュー 自身の現在地、人として守りたいものを語る
俳優以外の仕事はもっと自信を持ててから
──ミステリアスなイメージを持たれがちな奥平さんですが、ご自身はそういうタイプではないとよくおっしゃっていますよね。結構コミカルな面もあるのでしょうか。それこそお笑いが好きだったりとか。 めちゃくちゃ詳しいわけじゃないですけど、最近は芸人さんのYouTubeチャンネルは結構見ていますね。 ──どなたのチャンネルをよくご覧になっているんですか。 こたけ正義感さんがすごく好きなんですよ。『逆転裁判』の実況プレイ動画がめっちゃ面白くて。僕、あんまり長い動画は好きじゃないんですけど、こたけ正義感さんの『逆転裁判』の動画は長尺なのにハマりました。こたけ正義感さんの喋り方が好きなんです。ちょっとクセがあって、それがツボにハマるというか。 ──音楽もお好きですよね。お友達の宮世琉弥さんや藤原大祐さんもアーティストデビューされていますが、自分もやってみたいと思いますか。 音楽をやってみたいとは思わないですね。あれはもう彼らだからできることであって、僕はあくまで聴くのが好きなので。 ──歌うこと自体は好きですか。よくカラオケで歌ったりとか。 嫌いじゃないですけど、めちゃくちゃ歌うっていうタイプでもないです。カラオケって、やっぱりみんながわかる盛り上がる系の曲のほうが受け入れられやすいじゃないですか。でも、僕が聴いているのはレッチリ(Red Hot Chili Peppers)とかなんで。いきなりレッチリをカラオケで歌われても困るだろうなっていう(笑)。そういうこともあって、中学のときとかカラオケに行ったときは歌う側より、盛り上げる側でいることが多かったです。 曲をつくってみたいなという興味はあるんですけどね。でも、それを自分がステージ上で歌うイメージはまったくないです。仮にやることがあったとしても、もっと自信を持てるようになってからかなと。 ──では、洋服はどうでしょう。自分でブランドをつくってみることに興味があるとか。 そんなことができたらこの上ない幸せですけど、個人的には趣味の範疇でやっているのが楽しいのかなって。商売目的でやったら大変そうじゃないですか。以前、雑誌の企画で洋服づくりを教えてもらったんですけど、お仕事でやるにしても、それぐらいまでがいちばん楽しい気がします。 ただ、人に服を着せてあげるのは好きなんですよ。だから、そういうスタイリング関連で何かできたら面白いかなという興味があります。洋服は好きだけど、自分がモデルさんみたいな感じで洋服を着て撮られるのはあんまり得意ではなくて。だったら、僕よりもっと似合う人に着せてあげたいって思っちゃうんです。今日はお仕事なのでオシャレな格好をさせてもらっていますが、普段の僕はもっとラフな格好ばっかり着ちゃってますね。 ──そういう意味では、今のところ俳優1本でいきたいなと。 そうですね。まだお芝居についてわからないことだらけなんで、他のことに手を出すのはちょっと早いかなと。 こうした映画というのはやっぱり観てくださる方に何か伝えたいことがあるからやっているもので、でもその伝えたいことはここでこうして言葉で語るよりも、実際に作品を観ていただいて、お芝居を通して伝わるのが役者にとってはいちばんの幸せだと思っています。わかると共感してくださる方もいれば、わからなかったという方もいて。それ自体は僕はどっちでもいいんです。ただ、役や物語を通じて伝えていくということに、これからも真剣に取り組んでいきたいです。 スタイリスト/伊藤省吾(sitor) ヘアメイク/速水昭仁(CHUUNi) 取材・文/横川良明 編集/小島靖彦(Bezzy編集長)