日本ハム・細川 凌平はセンスの塊だ! 智辯和歌山時代の驚くべき“裏話” 強烈なプロへの思い、高い思考力、圧巻のスピード!【主筆・河嶋宗一コラム『グラカン』vol.5】
皆さん、こんにちは!! 『高校野球ドットコム』の河嶋宗一です。私・河嶋が「これまでグラウンドで見てきた感動シーン」(略して『グラカン』)をみなさまにお届けしています! 【一覧】日本ハム 2024年春季一軍キャンプメンバー 今回も過去のセンバツ出場校の取材を振り返り、智辯和歌山出身の細川 凌平内野手を取り上げていきたいと思います。 日本ハムでプレーする細川選手は20年ドラフト4位指名を受け、高卒3年目の昨年は自己最多の60試合に出場。着実にプロ野球選手としての地位を高めています。 細川選手を取材して驚いたのは、練習でみせたスピード、インタビューで感じた意志の強さ、思考力の高さでした。こうした特長が現在の活躍につながっているのではと感じられます。
中学時代から描いていた高卒プロ 取材時で魅せた圧倒的なスピード
まずは高校2年秋までの活躍を振り返ります。京都東山ボーイズ出身の細川選手は主にショートとして活躍し、ボーイズ日本代表に選ばれるほどの選手でありました。多くの学校から注目された中、智辯和歌山に進んだのは中谷仁監督の存在があったそうです。 「自分なりに中学3年生の時から将来のビジョンを描いていたのですが、そのビジョンと、中谷さんが話すビジョンが合致しているところがありました。ここ(智辯和歌山)なら自分のビジョンに近づけるかなと思っていました。自分としては中谷さんの存在は大きかったです」 そのビジョンとは高卒プロ。甲子園出場だけではなく、プロ野球選手になるために、高い志を持って智辯和歌山に入学しました。 1年生からベンチ入りし、1年夏の甲子園では近江戦で途中出場し、甲子園デビュー。1年秋から不動のレギュラーとなります。 2年春、2年夏の甲子園に出場。細川選手は俊足巧打のセンターとして活躍をみせます。甲子園でみていてもセンスの高い選手だと実感しました。 そして最終学年から中学時代のショートへ転向しますが、2年秋の近畿大会では見ることができなかったので、取材では甲子園以来のプレーを見ることになります。 そのプレーは衝撃的でした。とにかくスピードが凄い。 ショートに入った細川選手は誰もが追いつけ無いような打球に対しても追いついて、懸命にグラブを伸ばして捕球します。また一連の動作のスピードが群を抜いていました。 ただ、遊撃の経験が浅いため、荒削りなところがありました。 中谷監督は「普通ならば追いつけないような打球も追いついてしまうほどのスピードがある」と評価するほどのスピードでしたが、守備技術がまだ足りていませんでした。そのことは細川選手も自覚していました。細川選手の1学年上には立教大に進んだ西川 晋太郎選手という名ショートがいて、細川選手は西川選手が大学野球部の練習に合流するまで守備を学んでいました。 「守備についてすべての面で及ばないと思っていますし、その中で西川さんが在学中の時、練習に参加されたとき、いろいろと聞いてきて学んできました。全国レベルで勝つには自分が全国レベルのショートストップにならないと思いますし、日本一のショートストップを目指したいと思っています」