映画『カルキ 2898-AD』ナーグ・アシュウィン監督が影響を受けたものとは?
プラバースの最新主演作『Kalki 2898-AD』が、邦題を『カルキ 2898-AD』として2025年1月3日(金)に全国公開される。本作は『RRR』(22)を超える110億円の製作費がかけられ世界興収185億円を叩き出した、インド映画史上最大規模のSFアクションファンタジー。 【写真を見る】映画『カルキ 2898-AD』神話×SFの超大作の構想のきっかけとは? 主演は、『バーフバリ』シリーズで知られるインドの大スター・プラバース。美の女神ディーピカー・パードゥコーン、そして伝説の大俳優アミターブ・バッチャンなど、インドを代表する新旧の大スターたちが共演する。 インド神話の神々たちが、6000年という途方もない時空を駆け抜け、未来の地球の命運をかけて暴れまわるシネマティック・サーガで、インド神話や古代インド叙事詩「マハーバーラタ」の要素も取り入れていることでも注目されている。 今回はナーグ・アシュウィン監督にインタビューを行い、見どころや影響を受けた作品について語ってもらった。 ――2898 年の未来が舞台ということですが、作品の構想はどこから来たのでしょうか? 「インドの方々は漫画や映画などを通して神話に触れながら育つので、神話というものがとても身近なものなんです。特にその中でも人気なのが、やっぱり"マハーバーラタ"。また、小さな頃からスターウォーズなどのSFにも触れていました。その"マハーバーラタ"とSFという自分が子供の頃から楽しんでいた2つの世界をミックスしたら面白いんじゃないか、理想じゃないか思ったところからはじまりました」 ――壮大なスケールの物語ですが、映画製作において最も苦労されたのはどの部分ですか? 「世界観作りを1からしたことが非常に大きなチャレンジでした。欧米風や、"あの国の作品ぽい"というふうには絶対したくなかったんです。インドの歴史も文化もすごく豊かなので、そういったものを取り入れながらオリジナルの世界観を作りたかった。乗り物や服、建物もデザインをしていく作業にとても時間がかかっています。制作に3、4年かかったことも大きなチャレンジでした」 ――監督ご自身が特に注目してほしい役柄やキャストはいますか 「メインの4人は特にですが、皆さんに思い入れを持っていただけるキャラクターたちばかりだと思っています。僕は日本ではカイラ(アンナ・ベン)が受けるんじゃないかなとも思っているのでそこも注目ポイントです」 ――インド映画といえば『RRR』がかなり話題でしたが、インド映画や邦画等、影響を受けた作品はありますか? 「S.S.ラージャマウリ監督は偉大なる映画作家で、僕ら若い世代のフィルムメーカーにすごくインスピレーションを与えてくださっている。ただ、『カルキ』に関しては直接影響はなかったと思います。ただ、S.S.ラージャマウリ監督自身から僕自身はすごくインスピレーションを受けています。映画はいろいろ異なるものにインスピレーションを受けていて、日本のものだと『NARUTO -ナルト-』なんです。あとは、スターウォーズ、"マハーバーラタ"。この3つが大きいです」 ――この作品にはインド映画ならではのこだわりはあるのでしょうか? 「実はこの作品にはインド的な特徴はないんです。2898年が舞台ということで、インドに限らず、世界中の人たちがこの1ヶ所で住んでいるというイメージなんです。街の看板を見ても、ヒンドゥー語もあれば、日本語や韓国語があり、いろいろなところから人が来ているということわかるようになっている。国境や国がない世界でみんな一緒になって生きていることをイメージしていました。もちろん主人公がインド人で、インドの言葉が使われているのでインド映画と思っていただけると思いますが、特にインド的な特徴を持たせようと思ったことはないんです。 ――最後に本作の見所を教えてください 「やはり、プラバースとアミターブ・バッチャンが直接対決するシーンです。映像でもそうですが、現場でもすごくわくわくしました。ご存知のように演じた2人は大スターであり、しかも違う世代のアクションスター、その2人が直接対決、ということでそれをぜひチェックしてほしいです」 文=HOMINIS編集部
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