ONE N’ONLYは異色の存在 メンバーカラーなし、グループカラーを白色で統一の理由は
<ニッカンスポーツ・コム/芸能番記者コラム> このほどダンス&ボーカルユニット「ONE N’ONLY」(ワンエンオンリー)を取材する機会に恵まれた。同グループは、M!LKや超特急などが所属するスターダストプロモーションの男性アーティスト集団「EBiDAN」内のグループ。音楽はJ-POP×ラテンミュージック。ノリ良し、ビジュアル良しに加え、ファン層は日本を飛び越えて中南米を中心に高い人気を誇るなど、異色の個性を持っている。 国外での支持を得たきっかけは現代らしくSNS。コロナ禍だった20年、TikTokでブラジルのヒット曲に合わせて踊った動画が拡散されたことを契機に人気を高めた。今ではTikTokの総フォロワー数は国内男性アーティスト1位の580万人。「世界から逆輸入」とも言われる。 メンバー6人全員が20代と若いが、23年にはブラジル3都市でのワンマン公演を経験。ポルトガル語の楽曲を持ち、現地でのMCはポルトガル語で実施するなど、海外へのベクトルもしっかりと向けている。この若さで海外公演を経験するアーティストは比較的少ないであろうし、日本と南米という2つのフィールドがあるのは強み。メンバーも「日本と海外、互いの性質の違いを両方取り入れていけるのが強み」と受け止めている。 文化の異なる各地でライブを行い、吸収することも多い。ラップ&ダンサーHAYATO(25)は「南米の方は、特に歌ったり踊ったり、かなりフリーなスタイルでした。ぼくらのポルトガル語の曲は会場が大合唱。それ以外の日本語の曲も、なんとなくみんな歌ったり踊ってくれたりしたんです」と回想する。演者と観客、言語、あらゆる垣根を越え、全体で同じ温度になったステージ。「この曲も一緒に参加できるんだって気付かせてもらったことも多くて。言語の違い、国の違いをエナジーやパッションで通わせていくのが、ぼくらができることだなと思っています」。エネルギーや情熱でステージを作り、魅せる能力というのは、アーティストとして揺るぎない大きな武器だと言えるだろう。 また、個人的に話を聞いていて「面白い」と思えたのは、あえてメンバーカラーを作っていない、ということ。昨今、複数人グループのアーティストやアイドルは、各メンバーが決められたイメージカラーを持つことが主流だ。だが、「ONE N’ONLY」は白色で一色で統一している。メンバーカラーを決めようと思ったことはないのか、と聞くと全員が「ないです」と即答。話し合ったことも1回もないという。ボーカルのTETTA(26)は「白で統一した方がライブの景色とかきれいだなと思ってます。その統一感もあるのでメンバーカラーはこれからも作らないです」と口にした。その言葉を、他の5人も共感を寄せるようにうなづきながら聞いていた。「白だと何にも染まることができるので。唯一無二、そういう意味も込めて白です」。いろんなことが異色の存在。今後の活躍が楽しみだ。【望月千草】 ◆ONE N’ONLY メンバーはボーカルTETTA、REI、EIKU、ラップ&ダンサーHAYATO、KENSHIN、NAOYA。ファンの呼称はSWAG(スワッグ)。22年7月に初のブラジル公演、23年4月にブラジル3都市をまわるワンマンツアーを実施。グループ史上最大規模のツアー「ONE N’ SWAG 2024 〓(逆疑問符)Fiesta?」大阪公演、東京公演が控えている。