鈴鹿サーキットは、F1大阪開催計画をどう考える? ホンダモビリティランド斎藤社長「日本全体がモータースポーツに興味を持っていただくのは素晴らしいこと」
大阪がF1誘致を目指すことを正式に発表した。これについて、現在F1日本GPを開催する鈴鹿サーキットを運営するホンダモビリティランドの斎藤毅社長は、大阪の件についてコメントすることはないとしながらも、日本でモータースポーツに対する興味が高まるのは素晴らしいことだと語った。 【F1ハイライト】F1 2024第2戦サウジアラビアGP決勝 大阪観光局は、大阪へのF1誘致を目指し、民間主導の事業体を立ち上げようとしている。大阪が目指しているのは、F1単体で収益を上げることでなく、F1を開催することでインバウンド需要を高めることだ。 「大阪については、私がコメントすることではないというのが正直な気持ちです」 そう斎藤社長は語る。 「我々としては、2025年からの(日本GPの開催)契約を締結できたので、その5年間をいかにイベントとして良いモノにできるか、それに全精力を注がなければいけないと思います」 「大阪がどうとか、そういうことは関係なく、我々としてやるべきことに集中していくだけです」 しかし、日本でF1をはじめとしたモータースポーツの注目が集まることは、喜ばしいことであると斎藤社長は言う。 「日本全体がモータースポーツに興味を持っていただけるということ自体は、非常にありがたいことだと思います」 「日本でのモータースポーツに対する理解が深まり、盛り上がるために、我々も努力していなかければいけません。それが実現すれば、すごく嬉しいなと思います」 鈴鹿サーキットとしては、一度契約が切れる2030年以降もF1に選んでもらえるようなサーキットにするため、努力を続けていくだけだと強調する。 「大事なことは、次の契約更新の時に我々が契約継続を希望した際に、しっかり選んでもらえるようなサーキットになっているということに尽きると思います」 「F1人気がグローバルレベルで高まるなか、選ばれるサーキットになるということは大変なことです。世の中は進化していますからね。色々な変化が起きているので、そういうことを睨みながら、我々も進化しなければいけません。そういう意味で我々にとっては非常に重要な5年間だと思っています」 斎藤社長曰く、今のF1は富裕層も重視しているという。鈴鹿としてもその部分を強化し、さらにインバウンドの需要にも応えられるようにすることを目指すという。 「グローバルで見ると、F1というイベントがレースをご覧になるだけでなく、社交の場として使うなど、需要が多様化してきている認識があります。実際、鈴鹿においてもインバウンドのお客様も増えてきており、今後はグローバルスタンダードも意識した上でホスピタリティエリアの拡充や充実化も検討していかなければならないと考えています」 「実際にはお金のかかる話なのでどこまでやれるかという部分もありますが、工夫しながらやっていきたいと思っています」 また斎藤社長は、F1日本GPを観るために来日したインバウンドの観光客に、もっと地元三重も楽しんでもらえるよう、自治体と協力を強化する考えがあることを明かした。 「インバウンドのお客様は、F1以外の他の観光も楽しまれているようです」 そう斎藤社長は語る。 「海外からF1にお越しになったお客様は、F1以外にも日本観光を楽しまれている方がほとんどで、それは非常に良いことだと思います」 「ただ、もっと三重県でも楽しんでいただきたいと思っています。三重の魅力をお伝えするということも大事なことだと思っています。三重県にも良い所がたくさんありますからね」 「三重県と連携しながら、三重の魅力を伝えていきたいと思っており、実際にチームも組んで進めているところです」 初の春開催となる2024年F1日本GPの決勝は4月7日(日)。観戦チケットは絶賛発売中だ。
田中 健一
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