「困っている人を助けたのに…」パワーショベルで走行し運転免許取り消し 処分の撤回求めたが最高裁も訴え認めず…それでも男性は「これからも人助けをしていきたい」
運転免許の取消し期間を終え 免許を再取得へ
高田さんは高裁の判決が終わった去年4月下旬ごろ、2年間の免許取り消し期間を終え、免許の再取得に向けて動き出しました。 取り消されていた2年間、高田さんは交通の便が良いとは言えない地域に住んでいたため、これまで車で約15分~20分かけて行っていた買い物や通院などをしていました。しかし、免許取り消し後は1時間に1本しか来ないバスを利用していくことになり、時間がこれまでの4倍かかるなど、生活面での負担は大きかったということです。 また、高田さんは元々建設業の仕事をしていましたが、重機や車を日常茶飯事のように使用していたため、ほぼ仕事ができない状態になりました。こうした中、精神的に追い詰められ眠れない夜もあったといいます。 (高田さん)「仕事も出来なくなり来る日も来る日も我慢しても改善しない日々に、次第に精神的に落ち込み眠れない日々が続きました。裁判の結果はどうであれこの辛い生活から抜け出すには、再取得する以外方法は無いと思いました。私の人生の中で忘れる事の出来ないであろう約2年でした」 この状況を打開するには 「免許の再取得しかない」。高田さんはこの思いで自宅から約30キロ離れた自動車教習所に、約1時間かけて(教習所専用の)バスで通学しました。授業は休まず約2か月間の通学を経て、普通自動車免許などを再取得しました。さらに「同じ苦しみを味わいたくない」という気持ちで、ショベルが公道を走るために必要な「大型特殊自動車」の免許も取得しました。
建設業の仕事を再開するも、年収は取消し前の”半分以下”に
免許を再取得した高田さん。以前やっていた建設業の仕事を再開しましたが、取り消し前の状態のように仕事の数は思うように戻りません。その影響で、年収は取り消し前と比べて『半分以下』になったということで、『一度失った信頼を取り戻すのは難しい』などと話します。 (高田さん)「免許が取り消しになったこの2年で、仕事の相手先が他の業者を使うようになってしまい、収入は半分以下になってしまいました。相手先も私に対して良くない印象になっていて、客を取り戻すのは困難です」 高田さんは、毎月貯金を切り崩しながらの生活が続いていて、免許を取り消された影響は甚大だと言います。 (高田さん)「貯金は5分の1ほどに減ってしまいました。これまで建設業一筋で仕事してきましたので・・・なかなかこの年で違う仕事というのも難しいと思っています。そのため今の仕事で少しずつ収入が戻るように一生懸命に働いています。しかし取消しになった影響は仕事面でも生活面でも大きいです。」