豊鉄バスがバスの来ないバス停寄贈
愛知県豊橋市の豊鉄バスは、東三河の2グループホームに不要になったバス停の標識を寄贈した。「バスの来ないバス停」として役立ててもらう。 豊鉄グループは認知症理解の取り組みを進めており、寄贈は認知症に関する社会貢献の一環。認知症の人が家に帰ろうと徘徊(はいかい)するのを防ぐ効果があるとされ、認知症の人と職員のストレス軽減の一助になる。県認知症グループホーム連絡協議会東三河ブロックや基幹型地域包括支援センターなどと協働し、3年前に1施設、一昨年度、昨年度はそれぞれ4施設に寄贈してきた。今年は豊橋市の「グループホーム白珠」、豊川市の「ケアホームみその」に贈った。 強風で折れた標識などを直して使用する。廃棄される標識の有効活用はSDGsにもつながる。これまでは完成した標識を運んできていたが、今年度は利用者らの見守る中、現地で組み立てた。停留所の名前は空白になっており、各施設で考え自由に書いてもらう。時刻表には各施設名と「いつまでもお元気で」と印刷されている。 グループホーム白珠には、取締役経営管理部長の白井良充さん、総務部副長の赤川景子さん、協議会理事で一昨年標識を置いた「ジョイア・ミユキ」の武田誠施設長らが訪れ、玄関前に設置した。標識の脇には施設が用意した真新しいベンチも置いた。管理者の島本晴子さんは「毎日午後4時になると自宅に帰りたくなってしまう人がいる。バス停でバスを待てば気持ちが収まると思う。涼しくなったらみんなで夕涼みもできる」と喜んだ。 来年度以降も事業を続ける予定という。