マッチザベイトって何?【ソルトワールド基礎講座】
ルアーを自然のベイトに近づけること
ルアーフィッシングやフライフィッシングにとって「マッチザベイト」は重要なキーワード。すでにキャリアを積んでいるアングラーなら常に意識しているファクターであり、まだ始めたばかりのアングラーでもその言葉は耳にしたことがあると思います。 マッチザベイトを簡単に言うと、その場にいるベイト、あるいはターゲットが実際に捕食しているベイト(エサ)にルアーやフライをマッチさせることで、より確実にヒットに導くこと。ただしそれは、本物のベイトにそっくり似せるということではありません。ベイトの何にルアーをマッチさせるかということが非常に大切です。 また、例えばシーバスフィッシングではレッドヘッドのプラグ、ジギングではピンクなど、自然の小魚とは似ても似つかない色が定番のヒットカラーになっていますし、エサ釣りでもイクラ、サシ、練り餌などその場に存在しないものがエサとして使われることも多々あります。つまりマッチザベイトは、いつでもどこでも必ず実践しなければいけない…というものでもないのです。 では、マッチザベイトはどんなときに意識すべきか? 次にそんなことを考えてみましょう。
マッチザベイトが生きる条件
マッチザベイトを考えるうえで最初に知っておきたいのは、魚たちが何を基準にエサを選ぶのかということ。実はその答えは単純で、「そのとき身の回りにたくさんいて、最も食べやすいもの」です。 自然界の生き物は常に食べ物に恵まれているわけではなく、食える時に食えるものを食うのが原則。私たち人間のように、名店の美味しい料理を求めてわざわざ遠くまで出かけることはなく、「昨日はイワシを食べ飽きたから明日はイカが食いたい」などという発想もありません。あくまでも前述の原則に従って、身近にいるものを食べるのみ。そのためエサが少ない時に釣れた魚の胃袋には大小雑多な小魚が見られますが、イワシの大群のなかで釣れた魚の胃袋はイワシでいっぱいです。 当然、マッチザベイトが生きるのは後者の条件。特定のベイトが大量にいるとき、魚の食性はそれに支配されるのです。