Jスカウト関心…無敵の空中戦で“注目株”へ 強心臓184cm逸材が「プロの道を切り開く」
大会優勝候補の大津戦へ堂々と「絶対に負けたくない」
チームに戻ってからもこの言葉を何度も思い返して、奪い切る、寄せ切る、身体を張り続けるという守備を徹底した。 寒川戦では後半、押し込まれる場面が増えたが1対1でほぼ相手をシャットアウト。1-0で迎えた後半36分には最終ラインとGKの間にふわりと落ちる難しいボールに反応し、飛び込んできたMF伊藤瑛規を完全にブロックした。 その2分後には、左からのFK(フリーキック)をドンピシャヘッドで合わせてビッグチャンスを創出。これは相手GKのビッグセーブと左ポストに弾かれたが、すぐにこぼれ球に反転してペナルティーエリア内で鋭い反転から強烈な右足シュート。これはDFに当たり、さらに味方のMF笹脩大の顔に当たってCK(コーナーキック)を逃すという不運もあったが、彼のヘッドの強さと身のこなしだけではなく、「何がなんでも決め切る」という強い意志が如実に現れたシーンだった。 後半アディショナルタイムにロングスローから、味方の処理ミスを突かれて同点に追いつかれてしまったが、冒頭で触れたとおり話題となった「超ロング間合い」のPK成功を含め、12-11のスコアで2回戦進出を手にした。 「今大会は『注目されたい』と強く思っているので、常に自分が試されているつもりでやっています。活躍をしてU-17日本高校選抜、U-17日本代表、そしてプロの道を切り開くことも狙っています。だからこそ、今日は何がなんでも勝って、プレミア王者の大津と戦いたかったんです」 思わぬ形で大きな注目を集めたが、彼が80分間で見せたプレーはJクラブのスカウトも色めくほど十分なインパクトはあった。彼が言うように、2回戦で大会優勝候補の大津を相手に今日のようなプレーができれば、よりJスカウトや代表スタッフの視線が注がれるはずだ。 「プレミア得点王のFW山下景司選手を止めたいし、セットプレーで上がってくる190センチのCB五嶋(夏生)選手に競り勝ちたいし、清水エスパルスに入るMF嶋本(悠大)選手やU-17日本代表の同じ2年生のCB村上(慶)選手ともやり合いたい。ここを抑えたら、PKのことだけではなく、僕自身に世間の注目が集まる。絶対に負けたくないし、もう『必ずやってやる』という気持ちしかありません」 北の大地の野心家は、12月31日の2回戦・大津戦に自分の将来のすべてを懸けるつもりで臨む。絶対にやらせないという強い意志とともに――。
FOOTBALL ZONE編集部