ひろゆき&リュウジのバズ論破トーク⑤ リュウジが教える、儲かるラーメン店のつくり方【この件について】
ひろ 業務用スープだとわからないようにする工夫はあったりするんですか? これを混ぜるとわかりづらいとか。 リュウ 絶対わからないようにする自信はあります。例えば香辛料を入れたらめちゃめちゃ補正できますよ。これはカレーの話になりますがハウスの「ジャワカレー」ってあるじゃないですか。あれって家庭用と業務用では味が全然違うんですよ。もはや別物レベルです。 ひろ どんなふうに違うんですか? リュウ 商品開発するとき、コストを抑えるために業務用のジャワカレーを使おうとしたんですよ。でも、おなじみの家庭用のほうが断然うまいんです。そもそも業務用商品の多くは、お店ごとに個性が出せるようにシンプルな味わいになっているんです。要は「そのままお客さんに提供してね」ではなく、「ここに味をプラスしてね」という考え方なんですよ。 ひろ なるほど! だから、あえて特徴を出さないようにしているんだ。 リュウ そうです。だから味もあえてバチッと決めていない。カレーの大事な要素であるスパイスの香りと、とろみをつけることに特化したものなんですよね。 ひろ だから、そこに独自にスパイスを加えたり、油を入れてオリジナリティを出していくんですね。で、そうやって自分の味を足していくと、もともと業務用だったことがわからなくなる。それはカレーもラーメンも同じだと。 リュウ はい。で、ここまでスープ作りのアイデアを話してきましたけど、最近はガス代がヤバいくらい高いし、従業員も集まりづらいので、儲けるというより、店を続けるためにスープをきちんと作らなくなるラーメン店が増えていくんじゃないかと思うんです。 ひろ そうなんですか。 リュウ そもそも、スープをきちんと作らないほうが儲かるんですよ。油そばがはやって久しいですけど、ビジネスの構造的にあれはめちゃめちゃすごいんです。 ひろ そうか。原価のほとんどはスープなわけで、それがないわけですもんね。調味料なんてたかが知れているし、しかも値段は普通のラーメンと同じくらいする。 リュウ だからラーメンマニアの中では「油そばは食う価値がねえ」「しょせん調味料の味だから」みたいなことを言う人もいます。ただ、ビジネスとして考えたとき「うまい商売だな」と思います。油そばが出始めた頃「これを考えた経営者は頭良すぎ」と思いましたもん。 ひろ 昔ながらのやり方でお店でスープを作り、しっかり利益を出すというのは難しいんですね。 リュウ 値上げできればいいんですけどね。最近は1000円超えのラーメンも増えてきていますけど、まだまだ少数派ですからね。 ひろ ラーメン業界もなかなか厳しいですね。 *** ■西村博之(Hiroyuki NISHIMURA) 元『2ちゃんねる』管理人。近著に『生か、死か、お金か』(共著、集英社インターナショナル)など ■リュウジ(RYUJI) 1986年生まれ、千葉県出身。料理研究家。近著に『虚無レシピ』(サンクチュアリ出版)など。公式X【@ore825】、公式Instagram【@ryuji_foodlabo】、公式YouTubeチャンネル『料理研究家リュウジのバズレシピ』 構成/加藤純平(ミドルマン) 撮影/村上庄吾