テスラ株、決算発表で一段安のリスク-マスク氏の「現状打破」に警戒
(ブルームバーグ): イーロン・マスク氏は現状を打破しようとする姿勢で知られているが、テスラの投資家が今まさに懸念しているのはその点だ。
電気自動車(EV)販売不振で同社の事業戦略に疑問符が付く中、株価は22日までに7営業日続落し、2022年後半以来の長期連続安となった。
23日の決算発表を巡っては、マスク氏が安価モデルの開発を中止し、完全自動運転車の開発に集中する計画を発表するのではないかと懸念されている。
そうなれば、規制面でもビジネス面でもかなりの障壁に直面するプロジェクトとなり、アナリストが期待していた事業戦略とは大きく乖離(かいり)する。同社が短期的な成長材料を失うことにもなりかねない。
バークレイズのアナリスト、ダン・レビー氏は「数週間前まで、テスラの第1四半期決算への重要な焦点はEV販売のファンダメンタルズだった」と指摘。2024年に納車台数が伸びず、利益率がさらに圧迫されるリスクなどが意識されていたが、そうした問題は「投資テーゼの転換」というより大きな問題に取って代わられたと述べた。
こうした懸念により、株価は年初来(22日終値時点)で約43%下落し、15カ月ぶり安値に沈んだ。
テクニカルアナリストらは、150ドルを割り込んだテスラ株はすでに重要な支持線を下回ったと指摘。23日の決算発表やマスク氏の電話会見で何らかの失望材料が出れば、売りが雪だるま式に膨らむリスクがあるとみている。
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原題:Tesla Stock in ‘No Man’s Land’ After 43% Rout Ahead of Earnings(抜粋)
--取材協力:Carly Wanna、William Maloney、Vlad Savov.
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Esha Dey