若手に研究専念の時間確保…筑波大学が新設、高等研究院の中身
筑波大学は研究力強化に向けて高等研究院を2025年度に新設する。重点戦略研究分野を強化し、若手研究者の研究に専念できる時間を確保する。さらに重点分野と若手の研究を社会的な視点から分析して発展させるグループを設ける。基礎研究の段階から社会との共創を試みることで研究成果の社会的インパクトを高める。 高等研究院を設置して所属研究者の研究時間を確保し、研究の質を向上させる。モデル機関として米プリンストン高等研究所を設定した。専任教授陣は少数精鋭だが、客員研究員などに最大限の学問の自由と研究に専念できる環境を提供して成果を上げる。筑波大は睡眠医科学や計算科学などの分野で世界最高水準の研究者を抱える。重点分野を戦略的に強化する。 さらに若手・中堅研究者主体の自発研究グループを設置する。研究者はエフォート(時間配分)の70―100%を研究に当てられ、比率は自身で決められる。専任の研究支援人材を配置し研究以外の業務負担を削減する。22年度から24年度で135人の若手を採用。これを27年度までに270人へ拡大する。 残り半年間の24年度予算では20人分の若手雇用の人件費として8000万円を確保。20人それぞれにスタートアップ経費として500万円を用意した。高等研究院のプロジェクトマネージャー1人、高度専門支援人材4人の人件費として2350万円を当てる。 これらの研究を社会的な視点から分析して助言する、社会と科学の研究グループも設置する。重点分野と若手、社会系グループが日常的に連携して成果の社会還元のあり方について考える。早期段階から取り組み、社会との共創につなげる。