「トランプ氏の電話」も攻撃した中国ハッカー…安保補佐官指名のウォルツ氏「中国は高い代価払う」
トランプ政権2期目の大統領補佐官(国家安全保障担当)に指名されたマイク・ウォルツ下院議員(フロリダ州)が15日(現地時間)、中国のハッキング攻撃に対する強い措置を予告した。 ウォルツ氏はこの日、CBSの画像インタビューで、中国が少なくとも8カ所の米国通信会社をハッキングしたという当局の発表に関連し「決して容認できない」とし「はるかに強い立場をとるべき」と述べた。また「我々を攻撃してデータを盗む民間および国家行為者にさらに高い費用を払わせる」とし、中国に対する新たな制裁を構想していることを示唆した。 これに先立ちホワイトハウス国家安全保障会議(NSC)は4日、「少なくとも米国通信会社8社が中国当局の支援を受けるハッキンググループ『ボルトタイフーン(Volt Typhoon)』の攻撃を受けた」とし「これらが政府高官をはじめ、有力政治家の通信記録に接近した」と明らかにした。またニューヨークタイムズ(NYT)は10月、中国の支援を受けるハッカーの攻撃で大統領候補だったトランプ次期大統領をはじめ、J・D・バンス次期副大統領、民主党の大統領候補だったカマラ・ハリス副大統領とその関係者の携帯電話が盗聴された可能性があると報じた。 ただ、中国は「サイバーセキュリティーを利用して中国を誹謗、中傷謀略するべきでない」とし、中国当局の介入疑惑を否認している。 中国の否認にもかかわらずウォルツ氏はこの日のインタビューで「我々のインフラ、水道、電力網、港にサイバー爆弾を設置する(中国の)行為はより一層深刻化している」とし「相手の攻撃に対する防御を拡大する形でなく、相手の行動を変化させなければいけない」と述べた。特に「トランプ氏も同じ考え」とし、中国のハッキングに対する具体的な制裁案を近く公開すると示唆した。 ウォルツ氏は「就任初日することを先に話さない」としながらも「サイバー分野で他の接近方法を取り、これ(ハッキング)を中断させるために相手に費用を払わせることを考慮する」とし、ハッキングに対する対応策が政権発足と同時に発表される優先順位に含まれた可能性も隠さなかった。 具体的な制裁案は明らかにしていないが、ウォルツ氏が中国のハッキングに対して「費用を払わせる」と述べただけに、新たな対中国制裁は関税などによる経済的圧力となる可能性が提起される。トランプ氏はその間、関税を相手国に圧力を加えるための「武器」として活用する意向を何度か明らかにした。すでにカナダとメキシコには25%、中国には10%の追加関税を払わせると公言した状態だ。ブラジル・ロシア・インド・中国・南アフリカ共和国などBRICSがドルの基軸通貨地位を他の貨幣に変える場合、100%の関税をかけると脅迫したりもした。 ウォールストリートジャーナル(WSJ)は「多数の企業のロビー活動や経済専門家の警告にもかかわらず、関税に対するトランプ氏の意志は揺れない」とし「関税圧力から抜け出そうとする企業が国務長官に指名されたマルコ・ルビオ氏、財務長官に指名されたスコット・ベッセント氏と議論しているが、トランプ氏は彼らに知らせず、関税賦課方針をSNSで発表している」と報じた。 ただ、追加関税がインフレを加重させるという懸念が強まり、関税政策に対する米国内の支持度が低下した点が変数となる可能性がある。CNBCがこの日に公開した世論調査でトランプ氏の高関税政策に賛成する回答は27%にすぎず、反対は42%だった。半面、不法移民を防ぐために国境に軍隊を配置する案には60%、税金減免措置には59%が賛成すると回答した。