国内では初発見!「コムカデ」の新属 島根県松江市の洞窟で見つかる 体長数ミリ、目はなく全身が白い多足類
島根県松江市八束町寺津の国指定天然記念物・竜渓洞の中で、国内では初発見となるコムカデの新属が見つかった。「属」は特徴が似た複数の「種」を集めた上の階級。コムカデは国内で5属5種以上存在するとされてきたが、害虫ではないことから研究はまだ進んでおらず、さらに多様なコムカデが生息している可能性があるという。 【写真】大根島の国指定天然記念物・竜渓洞の中で発見されたトガリコムカデ
コムカデは、ムカデやヤスデのように脚がたくさんある多足類。体長数ミリ~12ミリほどと小さく、目はなく全身が白いのが特徴。 新属のコムカデを見つけたのは、東京都立大理学研究科の沓掛丈さんや、島根大大学院出身で豊田ホタルの里ミュージアム(山口県下関市)の川野敬介学芸員ら3人の研究グループ。 調査は2022年8~10月に、島根県内38カ所で実施した。国内外で採取されたコムカデと合わせて遺伝子解析などを行った結果、県内に74の暫定種がいることが判明。このうち、竜渓洞内の水面で見つかったコムカデは、他の属のコムカデとは特徴が違い、6属目の属として和名で「トガリコムカデ」と名付けた。 竜渓洞は1933年、周辺の道路工事で偶然見つかった洞窟で、ゴミムシやヨコエビなどの希少な固有種が見つかっている。