正統派演歌歌手の永井裕子がXmasライブでファンと交流
正統派演歌で小柄な体に似合わない大声量での歌のうまさでは定評のある永井裕子(43)の大阪でのクリスマスライブがライブハウスで実施。昼夜2回公演はデビュー25周年を支えてくれた熱心なファンで満杯に。終了後には1人ひとりと2ショット写真撮影をサービス。その際に互いに言葉を交わすため、ファンの長い列が続いた。
記念曲「おんなの花道」は師匠・四方章人の作曲で、彼女に言わせると「あぁ永井裕子だな!と言う曲調」だけに、やや抑え気味の運びにこぶしとうなりを織り込み、万城たかしの詞で前向きに苦難へ挑む芯の強い女性を表現している。
カップリングはちあきなおみの1988年作品「役者」、この日のライブでは中島みゆきの1992年作品「糸」をそれぞれカバーして歌った。いずれも元歌イメージのインパクトが強く、上手に物まねで歌えても自分の世界を大事にするプロ歌手には手を出しにくい曲。それを永井は苦もなく自分のレパートリーに入れてしまうのが実力者の証明。男歌さえ例外ではない。北島三郎が1983年にオリジナルを歌いその年のNHK紅白歌合戦でも披露した名曲「漁歌」は同じ女性演歌歌手の島津亜矢や市川由紀乃も手掛けているが、永井が歌うとそのド迫力で本家・北島版に勝るとも劣らない〝男前〟さが伝わってくる。
永井のライブが人気なのはジェットコースターのような歌の緩急だけでなく、マシンガンのように繰り出す本音トーク。来場者との途中掛け合いも遠慮なしでファンの笑顔となごやかな雰囲気が会場を包む。永井は「年末は5日間三重・長島温泉〝湯あみの島〟で歌わせて頂き、お正月は毎年出身地の佐賀市に戻り、3日に歌い始めのお仕事。〝ライブが見たい〟と言って頂けるのは歌手みょうりに尽きます」と満足そうな笑顔を浮かべた。 (畑山 博史)