48歳男性が絶句…「自己流の相続税対策」のおかげで「本当に損した金額」と「本来すべきだったこと」
「孫への贈与は持ち戻し(生前贈与があった場合に、贈与された財産を相続財産に加算して相続税を計算すること)の対象にならない」「孫と養子縁組することで相続税の節税になる」。こんな記事をインターネットでたまたま見つけた吉田博之さん(48歳、仮名)。 【マンガ】5200万円を相続した家族が青ざめた…税務署からの突然の“お知らせ” 記事に書かれていることを信じ、自己流で「相続税対策」をしてみたものの、のちに意外な盲点が発覚することに……。 実際のところ、相続税はどれだけ軽減されたのか、具体的にシミュレーションするとともに、本来はどうすればよかったのか、どれだけ税負担を軽くすることができたのか、相続にくわしい税理士の古尾谷裕昭氏が解説する。 【この記事の登場人物】 父:吉田 明(享年80歳) 息子:吉田 博之(48歳) 孫:吉田 蓮(14歳) *すべて仮名
相続人が子ども1人の場合はどうなる？
「確かに、相続財産への持ち戻しと2割加算はありますが、明さんと蓮さんが養子縁組したことで相続税の負担はかなり軽減されましたよ。 明さんのケースは生命保険や持ち戻しが絡んでいて少し複雑なので、概算として同等の遺産額(8,000万円)を、子ども1人が相続する場合と、孫と養子縁組をして子ども1人と孫養子1人が相続する場合で相続税額を比較してみましょう」 (1)相続人が子ども1人、財産額8,000万円の場合 基礎控除額:3,000万円+(600万円×1人)=3,600万円 【税額計算】 8,000万円-基礎控除3,600万円=4,400万円 法定相続分に応ずる取得金額:4,400万円×1/1=4,400万円 4,400万円×税率20％-控除額200万円=680万円 子どもの相続税額:680万円
養子縁組した場合と比較してみると……
(2)相続人が子ども1人、孫養子1人、財産額8,000万円の場合 基礎控除額:3,000万円+(600万円×2人)=4,200万円 【税額計算】 8,000万円-基礎控除4,200万円=3,800万円 法定相続分に応ずる取得金額:3,800万円×1/2=1,900万円 1,900万円×税率15％-控除額50万円=235万円 子どもの相続税額:235万円 【孫養子の税額計算】 2割加算額:235万円×0.2=47万円 孫養子の相続税額:235万円+47万円=282万円 子ども:235万円、孫養子:282万円=合計517万円
