「奴隷状態」の中国人163人救出 ブラジル
【AFP=時事】ブラジル当局は24日、北東部バイア州カマカリにある中国の電気自動車(EV)最大手、比亜迪(BYD)の工場建設現場で「奴隷のような状態」で働かされていた中国人作業員163人を救出したと発表した。 【写真】「モンスター」のような日本企業で搾取 エクアドル人労働者が非難 BYDのブラジル子会社は24日夜、現場作業を担当していた錦江建設との契約打ち切りを発表した。 建設中の同施設は、完成すればBYDにとってアジア外で最大のEV工場となり、生産規模は年間15万台を見込まれていた。 バイア州公共事業省の命令により、一部の建設作業は中断された。 州の関係省庁は11月以降、査察を行っており、バイア州公共事業省は「錦江建設の作業員163人が奴隷状態に置かれているとみられる」ことを確認したとしている。 同省の広報担当者はAFPに対し、確認された作業員は全員中国人で、「宿泊施設の一つでは、マットレスのないベッドで寝ており、私物を収納するロッカーなどもなく、食料品と一緒に雑多に置かれていた」と説明。労働者31人に対してバスルームは1か所しかなく、「午前5時30分の就業前に午前4時に起床してバスルームの順番待ちを余儀なくされていた」と述べた。 また、現場では「強い日差しにさらされ、皮膚に明らかな損傷」が見られたとしている。 さらに「強制労働」が行われていた疑いがあり、作業員はパスポートを没収され、給与の60%を契約企業に取られ、残りの40%を中国元で受け取っていたと指摘した。 BYDのブラジル子会社は「ブラジルの法律と人間の尊厳に対する侵害は容認しない」とし、作業員163人を直ちに地元のホテルに移動させたとしている。【翻訳編集】 AFPBB News