【長崎】元松浦市議への名誉毀損・職務強要 諫早市の無職の男の初公判
NCC長崎文化放送
元松浦市議の名誉を傷つける文書を配布し、市議を辞めるよう強要した罪に問われている諫早市の無職の男(76)の初公判が、長崎地裁佐世保支部で開かれました。 【写真】元松浦市議への名誉毀損・職務強要 諫早市の無職の男の初公判
起訴状によりますと、諫早市の無職、宮本榮治被告(76)は、今年2月下旬、松浦市内の飲食店2軒で当時松浦市議だった男性の名誉を傷つける内容の文書を配布するよう依頼し、不特定多数が閲覧できる状態にした名誉毀損の罪や、去年10月、同じ市議に対し、顔を手の甲で叩く暴行や脅迫を行い、議員を辞めるよう要求した職務強要の罪に問われています。 被害を受けた松浦市議の男性は、2月29日に市内の川沿いで死亡しているのが見つかり、警察は自殺とみています。宮本被告は1985年に指定暴力団「山口組」の4代目組長らを殺害した疑いで指名手配され、その後、公訴時効が成立していました。 初公判は、傍聴人の入廷時に金属探知機による所持品検査が実施されるなど厳重な警備態勢で行われました。冒頭陳述で宮本被告は「ほぼ間違いありません」と認める一方、弁護人は職務強要について、「手の甲で顔を叩いたのではなく、手が触れただけ」と一部否認しました。 検察側は、2021年ごろ、松浦市内のスナックで元市議が酒に酔った状態で宮本被告の連れていた女性の体に触れたことをきっかけにトラブルが発生したと指摘。宮本被告は後日、元市議を呼び出して謝罪や誓約文の提出を求め、さらに元市議の父親に慰謝料の支払いを要求していたと主張しました。去年10月半ばごろ、元市議が飲み歩いているという話を聞き、約束を破られたと考え、犯行に及んだとしています。 弁護人から「元市議についてどう思っていたのか」と問われると、宮本被告は「議員として期待もあり行き過ぎた考えだった。反省している」と述べました。 次の公判は25日(水)に開かれ、論告求刑や被告人の最終陳述などのあと判決が言い渡されます。
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