部長が適当な時間に出社して、ほかの社員より早く退勤していて「うらやましい」です。部長職って本当に大変なんですか?
会社組織における部長とは、その部門の管理者として全体をまとめる、業務に関する決定権を持つ立場です。 一般職員などよりも適当な時間に出社したり退社したりするような部長も存在するようですが、ほとんどは定められた労働時間の範囲内で働いています。また、部下のモチベーション管理や業務達成のための適切な対策を検討するなど、部長職は決して楽ではないと考えていいでしょう。 本記事では、部長の役割や業務内容をはじめ、勤務実態などを解説します。
部長とは部門や部署の責任者
部長とは、会社組織内の部門や部署の責任者であり、部下を管理する立場にあります。組織における立ち位置は、社長、取締役、監査役などの次に位置し、会社によって異なるものの部長職が行う主な業務は以下のとおりです。 ●部署全体や部下個人の目標の管理 ●部下のスキルなどを考慮したうえで適切な業務の割り振りや指示、調整 ●部下の評価 ●社外や社内の別部署との連携や交渉 課長職や係長職などと比べて責任が重く、業務マネジメント能力やリスクマネジメント能力、人材マネジメント能力といった組織を動かせるスキルが求められます。その他にも、部署や部下のスキルを最大限に引き出せる概念化能力や、コミュニケーション能力も求められるでしょう。 ■管理監督者に該当する場合は残業代が支給されなくなるのが一般的 部長職に就いている場合、残業代が支給されなくなるのが一般的です。労働時間は1週間40時間・1日8時間以内(休憩時間を除く)と労働基準法で定められており、超過分に対して残業代が支給されます。 しかし、労働基準法で定めている「管理監督者」に該当する場合は、労働時間や休憩、休日などの規定対象外となって残業代が支給されません。労働条件の決定、その他の労務管理について経営者と一体的な立ち位置になると判断されるからです。 なお、厚生労働省の「労働基準法における 管理監督者の範囲の適正化のために」では、管理監督者に該当するかどうかについて、以下のように職務内容や責任と権限、勤務態様などの実態によって判断し、役職名で決まらない旨を伝えています。 ●重要な職務内容を有する立場である ●重要な責任と権限を有していること ●現実の勤務態様も労働時間などの規制になじまないものである ●その地位にふさわしい待遇(定期給与、賞与といった賃金面)がなされている
【関連記事】
- ◆昇進して課長になると「残業代がなくなる」と言われました。それって法律違反じゃないんですか? 支払われないのはどんなときでしょうか?
- ◆契約社員ですが、ボーナスは一律「3万円」です。正社員は「3ヶ月分」なのに不公平ではないですか? 仕事内容は同じです
- ◆看護師ですが、師長に妊娠を報告したら「育休を取るなら、復帰後は夜勤をすると念書を書くのが条件ね」と言われました…本当に書く必要があるのでしょうか? 違法なのではないですか?
- ◆【実録】退職したら保育園を追い出される!? 公立保育園で受け入れてくれるのは「働く人」だけという事実
- ◆同僚がよく「タバコ休憩」に行きます。これで給与が支払われるのってアリなんですか?