万感胸に火牛まつり 富山県小矢部市、34年の歴史に幕
今年で最後となった富山県小矢部市の恒例行事「メルヘンおやべ源平火牛(かぎゅう)まつり」は28日、市中心部であり、わらの牛を使ったパレードやレースなどが行われ、会場は熱気に包まれた。スタッフの不足で来年以降の継続は断念。関係者や来場客は寂しさをにじませつつ、34年間の歩みに感謝した。 火牛まつりは1990年、小矢部市内の青年団体が開いた地域活性化イベントが始まり。市ゆかりの武将、木曽義仲が平安末期の源平倶利伽羅合戦で用いた奇襲「火牛の計」にちなみ、96年から現在の名称になった。近年は市商工会青年部や女性部をはじめ、各市民団体などでつくる実行委員会の人員が不足し、今年で終了することを決めた。 小学生による「火牛の計レース」は4人1組の低学年の部に8チーム、3人1組の高学年の部に20チームが出場。重さ200キロの小型のわら牛を引いて石動商店街に設けた50メートルのコースを走り、タイムを競った。
高学年で優勝した小矢部東部野球スポーツ少年団の岩田啓杜(あきと)さん、宮田結華さん、佐伯陽向(ひなた)さん(いずれも同市東部小6年)は「最後だから力が出た。とても達成感がある」と喜んだ。 記念撮影コーナーの一角では、訪れた人が短冊にまつりへのメッセージを書いて、わら牛に取り付けていった。同市大谷小1年の中山恵太さんは「うしさん ありがとう」とつづった。「寂しいけど、最後に来られてよかった」とほほ笑んだ。 夜の「たいまつパレード」は、角の部分にたいまつを付けた重さ700キロの大型をはじめ、大中小のわら牛6体が通りを練り回った。太鼓やほら貝の音色に合わせて合戦の雰囲気を演出し、惜しまれながらフィナーレを迎えた。実行委の山崎淳一委員長(42)は「感慨深いし名残惜しいが、みんなが楽しめるイベントを実現できてよかった」と充実感をかみしめた。北日本新聞社後援。 ◇火牛の計レース▽小学生低学年(1)東部ドジャース(2)イーグルス3年(3)チームともだち▽同高学年(1)東部バッファローズ(2)おにくBoys(3)東部エンジェルス