トム・ブラウンに聞く! お笑いファンの度肝を抜く"狂気漫才"の原点とは?
――それを自覚したのはいつ頃ですか? 布川 小5のときにふざけて、友達と出し合っていたら、みんなが「でけー!」ってドン引きしたんです。全員、真顔でした。 みちお 『稲中』(マンガ『行け!稲中卓球部』)の竹田だね。 布川 先輩芸人と見せ合ったときはいい勝負でした。 みちお 太さは先輩、長さは布川に軍配。ちなみに、ヤーレンズ楢原(真樹)もでかいです。 布川 ケイダッシュステージのツートップです。二大巨頭ならぬ二大巨根。 みちお 僕はタマキンだったら負けないんだけどな。袋が他人の4倍あるんで。 ■意外とタメになった先輩からのアドバイス ――おふたりはもともと清潔感とは無縁だったとか。 布川 きれいにしたら売れるかと思って、公務員みたいな短髪にした時期もありました。でも、根っから汚いやつって、どんなに新しい服を着てもダメなんですね。 みちお オーダーメードのワイシャツを作ったこともあったけど、隠せなかったなあ。海外製の(洗浄力の強い)洗剤じゃないと落ちないような強烈な汚れなんで。 布川 その路線を諦めて、黄色のワイシャツと、ペンギンのセーターで舞台に立つようになったら、お客さんにしっかりとネタを見てもらえるようになったんですよね。 みちお 見た目とネタがしっくりきたんでしょうね。 布川 昔からネタの方向性って、そんなに変わらないんです。見た目とネタの違和感がなくなって、ちょっとずつお客さんに受け入れられるようになったんだと思います。 ――昨年の『M-1』で準優勝したヤーレンズのおふたりにも、ビジュアル面でアドバイスしたことがあるとか。
布川 昔のヤーレンズのネタはスタイリッシュな衣装で良かったと思うのですが、ここ2、3年くらいのネタは違うので、「おまえはホットパンツをはけ!」と、楢原に勧めたことがあります。 みちお ネタはみんな面白いんです。だったら、僕たちにできるのはそういうアドバイスだけですから。 ――おふたりが先輩からもらったアドバイスで、今でも覚えていることはありますか? みちお ネタを間違えたり、ウケなかったりしたらどうしようと弱気になっていた頃、事務所の先輩であるHi-Hi岩崎(一則)さんの言葉に救われましたね。「ウケてもスベっても、おまえはみちおだろう」って。 布川 ハゲてるけど、いいこと言うんです。 みちお それまでは何者かになろうとして、実力以上のことをやろうとしていたんですけど、その日から肩の力が抜けて、楽しくできるようになりました。「へたくそだけど、それがどうした」って。 布川 僕が岩崎さんに言われて印象に残っているのは、「ステージにしっかりと立て」ですね。「本当に面白い人たちって、親指の付け根で舞台をぐっとつかんでる感じしない?」って。柔道と同じ。 みちお 売れないやつって、だいたいステージ上でフワフワしているんです。だから、お客さんも笑いづらい。 布川 足の指に力を入れて立つようになってから、確かにウケ方は変わりました。でも、岩崎さんの言ったことを真に受けたってバレたら、みんなにナメられちゃうな。 みちお 僕なんて、岩崎さんにお金を貸してますからね。