【衆院選2024】知れば投票に行きたくなる「1票の値段」 あなたの1票で政党に入る交付金はいくら?(原口和徳)
小選挙区の1割弱は「有権者の1%」の行動で結果が変わる
もちろん、あなたの1票には、選挙結果を左右するという意味での影響力もあります。前回衆院選では、小選挙区の1割程度は、その選挙区の有権者の1%程度の差で当選者が決まっていますし、比例代表ではすべての選挙区で有権者の1%以内の差で結果が変わります。 仮に、自分の選挙区では、どう考えても応援する候補者に勝ち目がないという状況でも、図表3が例示するように、比例代表において復活当選することがあることも押さえておきたいポイントです。 また、前回衆院選では、れいわ新選組が比例代表(東海選挙区)で議席を得る権利を得ておきながら、有効な候補者がいなかったために、次点の公明党に議席を譲るということもありました。れいわ新選組は、小選挙区との重複立候補者を擁立していたものの、小選挙区での得票数が比例代表候補者としての条件(重複立候補の場合、小選挙区で有効投票数の1/10を確保しておく必要があります)を満たすことができなかったために生じた事態でした。 この時、れいわ新選組の上位であった候補者があと2,179票、自身の選挙区の有権者の0.50%の票を得ていれば、比例代表において、れいわ新選組は議席を獲得することができていました。
衆院選にかかる費用は670億円。有権者一人当たり約630円
また、私たち有権者が政治的な意思を表明するための手段でもある選挙は、「ただ(無料)」で行えているわけではありません。例えば、前回の衆院選を実施するために国が支出した金額は、約667億円でした。有権者の数は1億532万人ですので、有権者一人当たり634円を費やしたことになります。 言い換えると、投票よって政治的意思を表明する権利を、私たちは一人当たり634円のお金(税金)を払って購入していることになります。そんなのほしくないよ、という人もいるかもしれませんが、購入を辞退することはできません。
投票に行くための最後の後押しは、投票当日の行動を予め考えておくこと
「よし、今度は投票に行ってみよう」と思っても、残念ながら投票できなかったということもありえます。海外の調査では、投票しそびれた際の原因は「忘れていた」というものが最上位であったというものもあります。 「投票日は電車に乗って出かける前に投票に行こうと思っていたけど、朝、忙しく準備をしていたらもう駅のホームで電車に乗るところだった。引き返す余裕もなく、そのまま投票に行けなかった」なんていうこと、確かにありそうですよね。 そこで、ポイントになるのが、以下の条件を満たす計画、想像をしておくことです。 ・何月何日の何時に投票所に行くのか。 ・どこから投票所に向かうのか(自宅から? 職場や学校から?) ・投票所に出かける前は何をしているのかを想像する(友人とランチ、部活やサークル、など) できるだけ具体的に考えておくことが、計画とその実行を忘れないために重要です。 この記事を読んでくださった方はご自身の投票所がどこに設置されており、どのようにアクセスできるのかをご存じですか。よかったらまずはそこから調べてみませんか。