九州電力社長、原発建て替え「個別の開発は今後の議論」…エネルギー基本計画原案を評価
九州電力の池辺和弘社長は18日、経済産業省が17日に公表したエネルギー基本計画の原案について、「バランスの取れた電源が必要というのは非常に評価できる」と歓迎した。一方で原子力発電所の建て替えの条件を緩和する方針が盛り込まれた点については、「個別の開発は今後の議論だ」と述べるにとどめた。 【写真】川内原発1号機と2号機
川内原発1、2号機がある鹿児島県薩摩川内市の田中良二市長と面会後、報道陣の取材に応じた。
池辺氏は、半導体工場やデータセンターの進出で増える電力需要を賄うためにも、再生可能エネルギーや火力など多様な電源が不可欠との認識を示し、原発については「(電源を構成する)一つのパーツだが、絶対に必要だ」と強調した。
原案ではさらに、廃炉を決めた原発を持つ電力会社が、別の原発敷地内で建て替えることを認めている。九電は玄海原発1、2号機(佐賀県玄海町)を廃炉にしており、東日本大震災前に計画したまま手続きを止めている川内3号機の建設が進む可能性がある。
ただ、池辺氏は「個別地点の建設、開発はまだ先の議論だ。川内3号機は『凍結』という位置付けで、社内でも議論が進んでいない」と述べ、進展には時間がかかるとの見解を示した。
川内3号機は、九電が2010年に鹿児島県から同意を得て、11年1月、国に原子炉設置変更許可の申請を行った。当時の計画では、出力が国内最大級の159万キロ・ワットで、19年12月の運転開始を目指していた。