東大卒弁護士が語る「そもそも兄弟姉妹とは?」あまり知られていない相続の落とし穴
兄弟姉妹とは、どういう関係ですか? 親友みたいな関係性の方もいれば、もう10年以上話してない、なんて方もいると思います。 休日に何をしているか、貯金はいくらあるのか、SNSは? など、家族とはいえ実は知らないことも多い関係性かもしれません。 【マンガ】大切なものを全て奪っていく妹…実は多くの人が悩んでいる「姉妹トラブル」 そんな兄弟姉妹について、「一番近くて一番遠い存在になる可能性までを含んだ不思議な関係」だと語るのは障害のある弟と育ち、弁護士としても活躍する藤木和子さん。 藤木さんの著書『きょうだいの進路・結婚・親亡きあと』から抜粋してお伝えする前編では、実際の悩みに答えるQ&Aをお届けし、藤木さんが「あなたは自由です」というメッセージを具体的にお伝えしました。後編では、「兄弟姉妹って扶養義務はあるの?」「親が死んだら相続は平等?」など、法律的な視点から兄弟姉妹の疑問について抜粋紹介します。
そもそも兄弟姉妹ってどういう関係?
兄弟姉妹の関係は、基本的に、同じ親をもち、一緒に育つという偶然から始まります。生物学的にも、環境的にも、互いに一番近い存在といえます。しかし、当たり前ですが、兄弟姉妹といってもそれぞれが一人ひとり違う人間で、自分の人生があります。そして、関係性も多種多様です。 また、関係性は子ども時代、それぞれが独立して自分の生活や自分の家族をつくっていく時期、親が高齢となり介護が必要になる時期などで変化していきます。兄弟姉妹は、親友、親代わり、ライバル、疎遠など、一番近い存在から一番遠い存在になる可能性までを含んだ不思議な関係です。 兄弟姉妹のなかには、父母の両方が同じ場合だけでなく、父母のどちらかだけが同じ場合もあります。その場合、一緒に生活をすることがなく、互いの存在を知らないこともあります。また、血のつながりがない場合でも、たとえば、子どもがいる人同士の再婚などで養子縁組をすることにより、法律上の兄弟姉妹となる場合もあります。こうして見ると、兄弟姉妹は、「親」を起点とする関係だと改めて感じます。