大暴落後の株価の行方は?データが語る次なる崩落の足音
8月に大暴落した日米株式。バブル崩壊やブラックマンデーのデータと比べてみると、次なる崩落の足音が……。特に危ないのは日本株より米国株のようです(写真:ブルームバーグ)
8月に入り、日経平均株価は3営業日で7600円余り、およそ20%という急落ぶりを見せた。原因を簡潔にいえば、膨大に積みあがった円キャリー取引の巻き戻しに伴って起きた投機的株買いポジションの解消が主因であり、ファンダメンタルズにほぼ原因はない。 ちなみに、円キャリー取引は「低金利通貨の円を借りて、他通貨で運用する取引」全般を指す言葉で、ヘッジファンドなどだけでなく実際にはさまざまな取引が含まれる。日本の金融機関が手元の円資金を為替ヘッジなしで外貨運用に転じることも円キャリー取引といえるし、個人投資家が手持ちの円資金で海外の株や投資信託を買うのも基本的にそれと変わらない。さらには、為替先物での円売りと他の投資を組み合わせたものも一種のキャリートレードである。 日本の長期にわたる超金融緩和によって、これらさまざまな円キャリー取引が全体像をつかめないくらいに膨大に積みあがっており、それが今回の激震につながったというところであろう。
本文:2,549文字
購入後に全文お読みいただけます。
すでに購入済みの方はログインしてください。
田渕 直也