<頂点へ再び・22年センバツ敦賀気比>戦力分析 肉体強化で得点力向上 /福井
18日に開幕する第94回選抜高校野球大会(毎日新聞社、日本高校野球連盟主催)で、大会第2日(19日の予定)で広陵(広島)と対戦する敦賀気比。昨秋は県大会でこそ苦杯をなめたが、北信越地区大会を連覇。2度目のセンバツ優勝を目指し、鍛錬の日々を過ごしてきた。一冬を超えて成長したチームの現状を追った。 打線を引っ張るのは3番・春山陽登選手(2年)と5番・石原幹太選手(2年)。春山選手は昨秋の公式戦で18安打を放ち、打率も5割6分3厘と、いずれもチーム1位。石原選手はチーム1位の15打点を稼ぎ、打率も4割2分9厘でチーム2位だった。冬場は2人とも球種を見極めて打つ練習などを丹念に重ね、さらにパワーアップしている。 力強い中軸につなげる1、2番コンビも健在だ。積極的なスイングとチーム1位の5盗塁を記録した1番・濵野孝教選手(1年)、バントなどの小技が光る2番・河合陽一選手(2年)は好調を維持している。下位打線にも長打力のある高見澤郁魅選手(1年)、50メートルを6・0秒で走りチーム2位の3盗塁を記録した米満晴選手(2年)などが待ち構え、上位下位どこからでも得点を狙える力がある。 昨秋の明治神宮大会の大阪桐蔭戦で個々の体格差を目の当たりにし、悪天候が続く冬の練習ではウエートトレーニングなどで肉体強化に励んでいる。合わせて食事の量も増やしており、入学時に体重が70キロだった岡村颯樹選手(2年)は毎食ご飯をラーメン鉢1杯以上食べて増量を目指す。「大会本番までには80キロに増やし、打力向上につなげたい」と意気込んでいる。 攻撃に良いリズムをもたらす堅い守備の中心を担うのが、主戦投手の上加世田頼希主将(2年)だ。昨秋は60回3分の1を投げて48三振を奪い、防御率は2・39を記録。最速144キロの直球に変化球を織り交ぜて要所を締める。北信越地区大会決勝の星稜(石川)戦では無失点で完投勝利した。しなやかな体を生かしたキレのある変化球が持ち味の清野仁楽(とら)投手(2年)、冷静な投球で打たせて取るサイドスローの桶谷司投手(1年)らも成長しており、投手陣の層は厚くなっている。 濵野二塁手、米満遊撃手を中心とした連係も強みだ。内野手、外野手ともに、打者の特徴や投手の配球を意識した位置取りを徹底し、組織的な守備で投手陣を援護する。 堅守に磨きをかけるため、個人練習では選手一人一人が自身の課題と向き合う日々を送った。河合中堅手は肩周りの筋力を強化し、さらに念入りなストレッチで可動域を広げ、送球の質の向上に取り組んだ。「外野に飛んできた打球をホームに投げて刺すプレーを、正確にできるようにしたい」と、さらなる飛躍を目指している。【大原翔】