スピーチで涙も “苦しい”オフトレの岩井千怜が開幕V| ダイキンオーキッドレディス | JLPGAツアー
JLPGAツアーの2024シーズン開幕戦「ダイキンオーキッドレディス」(賞金総額1億2,000万円、優勝賞金2,160万円)は3日(日)に最終ラウンドを行い、岩井千怜が大会レコードとなる通算18アンダーで優勝。昨年6月の「宮里藍サントリーレディス」以来となるツアー通算5勝目をマークした。 沖縄特有の指笛がデットヒートを制した勝者を祝福する。笑顔で右を突き上げる岩井は「一騎討ちはあんまりやったことがなかった。新しい勝ち方になった」とホッとした表情で笑みを浮かべた。 2日目に抜け出した西郷真央を逆転して1打リードで迎えた最終日は、出だしからバーディーの激しい応酬に。スタートホールで西郷がバーディを奪い早速並ばれたが、2番ですぐに岩井が奪い返す。しかしすかさず西郷が3番をバーディー。パー5の7番で互いにバーディーを奪うと首位タイでバックナインに突入した。 11番で岩井が一歩前に出ると12番で西郷が追いつく一進一退の展開から、リードを広げたのは岩井だ。14番で着実にバーディーを奪うと、前日にティーショットを右に曲げてダブルボギーを叩いた15番が分岐点になった。「慎重に打った」と確実性を重視したドライバーショットから2オン2パットのパー。逆に西郷がボギーをたたき、2打差を築いた。ツアー通算6勝の強敵相手に3度首位に並ばれたが、一度も単独首位に立たせなかった。 シーズン開幕前から精力的に実戦を積んできた。2月にサウジアラビアで行われた欧州女子ツアーに出場し、2月末はタイで開催された米女子ツアー「ホンダLPGA」をプレーした。今季は姉の岩井明愛とともに海外メジャーでの活躍を思い描く。さらに頭の片隅には世界ランクを浮上させてパリ五輪への出場もあるだろう。激しいトレーニングに励んだオフシーズンの苦しい思いも打ち明けたが、猛練習の成果が見えたシーズン開幕戦で最高のスタートを切った。 優勝スピーチでは能登地震について言及し、涙で言葉を詰まらせた。「今週は一人でも多くの方に元気を届けようと思ってプレーしていました。この優勝で少しでも元気や希望や勇気が届けられたらうれしい」と語った。