「かてぃんピアノ」を借りて音楽祭 東京の高校生が企画、熱意で実現
「かてぃんピアノ」で音楽祭を開きたい――。ピアニストで人気ユーチューバー「かてぃん」として活躍する角野隼斗(すみの・はやと)さんのアップライトピアノを借り受け、高校生が企画した音楽祭が朋優学院高(東京都品川区)で開かれている。 【写真で見る】「かてぃんピアノ」で開かれた音楽祭の様子 「若葉音楽祭」と銘打ったイベントは、3年の谷崎優樹さん(18)らの提案で実現した。きっかけとなったのは、アップライトピアノの魅力を知ってもらうため、角野さんが昨年の公演で使用したスタインウェイ製「かてぃんピアノ」を無償で貸し出すとして、全国の団体や個人から企画を募集したプロジェクトだ。 谷崎さんは3歳からピアノに親しみ、コンクールにも出場する腕前。「このピアノを弾いてみたい」と感じると同時に「学校で音楽フェスティバルができたら」と思いついた。 そこで音楽祭の創設を友人や生徒会に提案した。ピアノの送料や調律費などが必要なことから学校にも働きかけた。学校側は生徒らの熱意に押され、生徒会費をやりくりするなどしてバックアップしたという。 音楽祭の会場は校舎1階のエントランスで、角野さんのサイン入りのピアノはクリスマスツリーの横に設置された。初日の25日にはオープニングセレモニーがあり、吹奏楽部のファンファーレに続き、ピアノの演奏や、琴とフルートの合奏があった。 谷崎さんはドビュッシーの「月の光」などを演奏し、「ピアノと一緒に立っているような柔らかい音色で、緊張せず挑めました」と弾き心地を話した。 音楽祭は30日までで、生徒らの公演が企画されている。ピアノは一般来校者にも開放し、29日までの午後4~6時に演奏できる。【山崎明子】