ジオパーク認定への弾みに 地質遺産認定で知事表敬 鹿児島県喜界町の隈崎町長ら
鹿児島県喜界町と喜界島サンゴ礁科学研究所は3日、同島の隆起サンゴ礁段丘地形が国際地質科学連合(IUGS)による「世界地質遺産」100地点に選ばれたことを受け、鹿児島市の県庁に塩田康一知事を表敬訪問した。隈崎悦男町長と同研究所の渡邊剛理事長、山崎敦子所長らが申請の経緯や今後の活用を報告。同町は2025年4月の日本ジオパーク認定申請を目指しており、隈崎町長は「地質遺産選定を起爆剤にジオパーク認定と地域活性に弾みをつけ、交流人口を増やしたい」と意気込みを語った。 IUGSは22年、地球の歴史を知る上で重要な地形100地点を「第1回世界の地質遺産100選(ファースト100)」に採択。24年には第2回(セカンド100)として64カ国174候補地の中から新たに100カ所を認定し、日本からは喜界島と雲仙・普賢岳の平成新山溶岩ドーム(長崎県)が選ばれた。 採択を受け、町と同研究所は8月末、韓国で開催された国際地質学会議の認定プレゼンテーションに出席。隈崎町長と渡邊理事長も登壇し、16カ国21カ所の認定地域から集まった専門家にサンゴ礁段丘の歴史を紹介。約10万年前にサンゴ礁の隆起により誕生し現在も隆起を続ける喜界島の地質は、過去の環境や気候変動を研究する上で重要な役割を果たすことを示した。 報告を受けた塩田知事は「喜界島の地質特性が学術的に認められたことをうれしく思う。認定を生かした地域の発展に期待したい」と激励した。