岸田総理が裏金議員の処分指示 「派閥禁止」について麻生氏とどのような決着をつけたのか
総裁決定や法案などの了承について、派閥があれば早く意思統一ができる
飯田)ガバナンスコードについては、「資金力と人事への影響力を背景に議員を集め、数の力によって影響力を増やそうとする組織を『派閥』と定義し、派閥の存続・新設を禁止する」と書き込まれました。派閥禁止が盛り込まれたなかで、麻生氏は一旦、矛を収める形になったのですか? 須田)そうは言っても、「どうやって総裁を選ぶのか?」ということです。個別の議員がバラバラに動いていたのでは、総裁決定のプロセスを踏むことができない。時間も掛かるでしょうし、意思統一を図るのも大変です。議院内閣制ですから、例えば法案や法律については自民党内の部会で揉み、政務調査会にかけて、最終的に総務会で了承を得るという手続きがいるのです。しかし、議員がバラバラだと意思統一のしようがないという状況があります。
政策勉強会という形で法案などが処理できるのか
須田)派閥内で意思統一を図るような作業ができたところは、派閥に関するプラスの側面として、スピード感という意味ではいい部分もあったのです。それがまったくない状況のなか、政策勉強会という形で処理できるのかどうかの問題はあると思います。政策勉強会のリーダー役が「今回は私の顔を立てて、ここは呑んでくれ」と言ってみたところで、「あなたの顔を立てても人事で処遇されることもないし、金ももらえないではないか」という意見は出るでしょうからね。 飯田)「何のメリットがあるのか」と。そうなると結局、表は切り離しているけれども……という傾向になるのでしょうか? 須田)どういう形でプロセスをつくるのかが大事です。おそらく政策勉強会的なものは、これからできると思います。そういった動きが水面下で起こっていますからね。 飯田)当然、政策ごとに賛否もあるし、1人で考えるよりもいろいろな人の意見を聞いた方がいいものができる。 須田)それが自民党の部会的な看板になるのか、政策勉強会という看板にするのか。そういう動きが水面下で起こっているのは間違いありません。
今後は人事や金について「幹事長に一任」となるのかどうかがポイント
須田)ではどうやって意思統一していくのか。飯田さんが先ほどおっしゃった「メリットは何か」という問題もあります。 飯田)そのままオフィシャルにやろうとしたら、人事や金を握る人は幹事長だけになってしまいますよね。メリットがそこに集中する形になりませんか? 須田)幹事長の意思決定はどうするのか、幹事長代理や副幹事長を含めて進めるのか……。「幹事長に一任する形ではないのかどうか」が1つのポイントだと思います。 飯田)そうなると役職など、党全体の組織にまで関わってくる。 須田)そう思いますね。