トヨタなど5社の認証不正『国より厳しい基準で独自に試験』その意味をわかりやすく解説 評論家・国沢光宏さん「国交省と民間が言い争いするのではなく日本がどうやって栄えていくか考えるべき」
ーーー1800kgでクリアしているのであれば、1100kgも普通に考えるとクリアするのではないかと感じるが、それは違う? (国沢光宏さん)国交省は自分が言ったことを守らないとダメというのが全部の基準です。実は現場ではもう少し柔軟な対応がなされていて、例えば衝突試験するときに、右側をぶつけるのが左側をぶつけるのかどっちでもいいですよみたいな。同じなので左右。そういうこともちゃんと現場単位では行われるんですけど。例えばスピード違反は1km/h違反でもダメだと言われたら、もう厳密にやらないとダメだということなんですね。国交省が決めた手順をもってしないと絶対ダメということを今回言われているということですね。厳しい基準というのは世界基準が多いんですね。日本の車って世界でも売っているので、世界基準をクリアできるようになっているんです。それで世界基準のテストデータを出すと、これも不正・違反・改ざんということになってしまいます。なのでしっかり基本的にはやるんですけど、トヨタは20万ぐらいのテストデータがあって、その中で今回調べたら6件です。しかも10年ぐらい前のデータなので、今はちゃんとできていると思うんですけど、たまたまこういうことがあったということだと思うんですね。
「型式指定」の認証試験とは?
ーーー今回不正がわかったのが「型式指定」と呼ばれるものです。メーカー側が認証試験を行って、細かいたくさんの試験データを国に提出して、審査に合格すると「型式指定」を取得することができます。同じ型式の車であれば車1台ずつの審査が不要になります。これをもって大量生産することができるということです。この「型式指定」評価制度についてはどのように感じている? (国沢光宏さん)これは世界的に行われています。飛行機でもどんなものでも安全を保つものは必要なので、これは全く問題ないし、やるべきだというふうに思います。 ーーー昔からこういう制度が使われている? (国沢光宏さん)そうです。大雑把な枠組みはもう70年ぐらい前にできたもので、中身の基準は変わっているんですけど、やり方そのものは変わっていないということですね。